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俺の、当主の在り方
21P
しおりを挟む考えることが多すぎる。頭が痛い。さっきから胸の鼓動が早くなっているから、これは倒れる前兆かもしれないね。
「話すべきことは話した。光秋君も疲れただろうし、今日はこれくらいにしようか」
夏葉さんはパンッパンッと手を叩くと、俺に微笑みかけて立ち上がった。
これはまた、見透かされてしまったかな?体調が悪いとはいえ、簡単に見透かされるようじゃあまだまだ忍としても未熟か。
「ありがとうございました。あの、もしよろしければ1日くらい父上のそばにいてもらっても――」
「いや、悪いけど今日は帰るよ。里が心配だからね。それに……次に狙われるのは、きっと僕だ。犯人を捕まえなきゃいけないからね」
頃合いかなと屋根裏から降りてきた佐吉さんを連れて、夏葉さんは「見送りはいいから、ゆっくり休みなさい」と言い残して部屋を出て行った。
それでも和之さんは見送りに行ったから、部屋に残されたのは俺と夏の双子の3人。
「…………」
どうしよう。昨日のこともあるし、話しかけづらい。でも、何か話さなきゃいけないよね。
まずはとにかく、昨日怒鳴ったことを謝らないと。昨日のあれは、確実に俺が悪いんだから。
「あ、あの……昨日は、ごめん。言い過ぎた」
「ううん、あたしこそごめんなさい。あの時は帰らないで、もう少し話をしてればよかったって後悔してたの」
「もう気にしてないですから、改めて当主ご襲名おめでとうございます。そして、お悔やみ申し上げます」
「ありがとう。そういうきっちりしたところ、甘夏ちゃんらしいね」
小夏ちゃんは可愛らしくペコリと頭を下げ、甘夏ちゃんは深々と頭を下げた。
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