ナクシモノ探し

那月

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バカ兄弟の秘めたるナクシモノ

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「あーもーうるさいわコタさん。ほらほら、無駄吠えしとらんで体力温存せなあかんで?過去最速タイム叩き出したるんやっ」


「なっ奈緒!?ちょっ、やめ……く、首絞まる……っ」


 嫌がらせで肘掛け扱いする悠馬にいちいちキレる虎太郎。大丈夫、いつものことだ。奈緒も慣れている。


 身構えて悠馬に飛びかかろうとした虎太郎の首根っこをつかんで、奈緒は苦笑しながら引っ張り上げる。何とも情けない、かわいそう?


 というか奈緒、過去最速タイムって。人間が消える恐ろしいものだが、これでも肝試し。ナクシモノ探しはするだろうが、移動を猛ダッシュでタイムを競うものではない。


 それにカップルで参加するものなのだからもっとこう、ムードを意識して思い出作りとか。という茜の思いは、がっつり体育会系の2人には届かなかったようで。


「参加するんなら教えてくれたらよかったのに。え、急に決まったの?」


「部活の後輩達がな、『コタさんは夏休みのほとんど潰してきてるから」って気ぃ使うてくれたんや。今度行ったら何か差し入れせなあかんなぁ?」


「そうだな。まぁ、夏の大会も終わったし。全国行けなかったのは残念だけどさ、ちょっと気が楽になったぜ」


 剣道部は男子女子、個人も団体も決勝敗退。去年の全国優勝校が今年も、連覇を狙って虎太郎達を叩きのめした。


 そこで奈緒が「決勝の時のコタさん、なかなか格好良かったわぁ」と惚気だしたので虎太郎は赤面、茜は苦笑い。双子は一瞬驚いたのち、ニヤニヤ。


 本当は奈緒自身も大会に、せめて県大会だけでも出たかっただろう。師範の隣で大声を張り上げて、全力で応援することしかできなかった。


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