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バカ兄弟と裏切り
3P
しおりを挟む宇佐美を見つめる橘の瞳はもはや、闇そのもの。漆黒の瞳の奥に漆黒の炎が揺らいで見える。
「う、ウサミンを離せ!この、バケモノ!!」
「来るな!こいつ、は……専門じゃねぇ、と…………スゥ……っ!!」
とっさに宇佐美を助けようと飛び出しかけた采鹿を拒むと、宇佐美は小さく息を吸って目を閉じた。すると彼の体が白く発光し始めた?
淡い白い光が、首元から広がってきていた真っ黒い闇を押しのけて宇佐美の体を包み込む。黒いコートが白く見えるほどだ。
宇佐美の体の中心から不思議な力を感じる。それはどんどん増していき、呼応するように白い光の輝きも強くなっていく。
「く、ぐぅっ……貴様ぁぁぁぁっ!!」
やがてあまりの眩しさに橘が首を絞める手を離し目を押さえると、すかさず宇佐美が手を伸ばして今度は橘の黒い首をつかんだ。
橘の闇が宇佐美を侵食しようとしたように、逆に宇佐美の光が橘を侵食していく。
なんとも不思議な光景だ。白衣を着た橘の体からは黒いモヤが、黒いローブを着た宇佐美の体からはまぶしい光が。白と黒でせめぎあっている。
闇は光を嫌う。「おらぁっ!」の気合とともに宇佐美が力を強めると光が強くなった。たまらず橘は叫びドンッと宇佐美を突き飛ばすとフラつき、ガクンッと膝を突いてうなだれた。
体全体からにじみ出る闇が濃くなり、橘の体を覆いつくすと、闇の塊は突然彼女の前で人の形を作った。
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