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ハートビート
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しおりを挟むそう、シャオリンには乙女心ってものがわからないのね。元女性のシャオリンが男性脳で、男のアタシが乙女心を語るって。
「告白は、しても良かったの。でもね、あんな風に言わせられるのは嫌。弄ばれてるみたいでムカついたの」
だから思いっきりぶったの。もしあの時手を出さないで告白していたら、きっとずっとモヤモヤしてる。
自分の意思で自分から告白するのと、言わされて告白するのじゃあ想いも半減する感じ。大げさに言えば、仕方なく、ご機嫌取りで言うようなもの。
冗談風でも、本命への告白だもの。そんなのは嫌。絶対に嫌。
「そっか。筆頭、本気でノルウェムのことが好きなんだね。強い想いが伝わってきたよ。でもさぁ……なんで、よりによって僕に相談なんかしたの?わかってるよねぇ?」
あの時のことを思い出してまたイライラモヤモヤして涙がにじんできた。顔を上げると、シャオリンがニッコリ微笑んでいる。あ、黒い微笑み。
「わ、わかってるわよ。悪いって思ってる。でも、トランス系のこじれた話だから、シャオリンならわかってくれるかなぁって」
シャオリンはずっとアタシのことを恋愛の方で好きでいてくれる。そんな彼に恋愛相談なんてってことでしょうけど、わかったうえでよ。
顔は笑ってるけど嫉妬が渦巻いていることでしょうね。本当にごめんなさい。
「トランスジェンダーって言ってるけど、僕の場合はトランスセクシュアルになるんだよ。心と体の性別が違ってそれに本気で悩んで早く治療、工事をしたいって、心の性別で見てほしいっていうのが僕達セクシュアル。工事まではしなくてもいいけど周りには心の性別で見てほしいっていうのがジェンダー。単に服装は心の性別のものを好んで着るっていうだけなのがベスタイト。他にも色々呼び名があるけど、筆頭の場合はジェンダーとベスタイトの間って感じかな」
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