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本当の姿
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しおりを挟む「……どうした?」
俺に肩を借りながら部下達の元へと歩いていたマリアンがふと、足を止めた。痛みが酷くて歩けないか?
負ぶっていくのとお姫様抱っこのどっちがいいかと聞こうとすれば、マリアンは不安そうに遠くを見つめる。
「シャオリンとギオは今、個人的なことで戦っているのよね?ギオは中国から追いかけてきた、シャオリンを暗殺するための刺客だって言っていたの。オレ達とは違う……」
そうか。ギオとシャオリンは元々、中国マフィア所属の暗殺者。何かヘマをして殺されそうになったシャオリンを助け、恩返しのためにマリアンのそばにいるんだったか。
そのシャオリンが死んでないとわかってギオは、探すためにDBに加入。俺とマリアンを通して再会したってわけだが。
2人は俺達とは別世界にいるんだよな。ギオは「決着をつけるために来た」と言っていたし。
「シャオリンはオレにはもったいないくらい優秀過ぎる右腕で、いつもオレのそばにいて支えてくれた。作戦を考えるのも鍛錬の相手も手伝ってくれて、1番信頼してるかけがえのない家族だから」
ギオもシャオリンも中国マフィアの暗殺者だからか、俺達とは全く違った戦い方をする。頭脳も明晰で、特にシャオリンの変装技術にはしてやられた。
マリアンはシャオリンに深い思い入れがあるんだな。こっちは特にないぞ。
何せギオは突然やってきて、その戦闘力の高さを見せつけて加入してからはよくサボっていたからな。いつでもどこでも寝ていたし。
そういうやる気のない、だらしない部下のふりをしてずっとさりげなくシャオリンを探していたんだと思うと、正直おぞましい。
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