ユキ・シオン

那月

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冷たい指輪

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 シオンを犯した。


 大切な恋人の、ユキ・シオンを俺は犯したんだ。醜い嫉妬に心も体も支配されて、めちゃくちゃにシオンを犯した。


 酷いことも言った、鮮明に覚えている。さながらレイプ犯のように罵って、シオンのことを「ネコヒメ様」って呼んで。顔が、笑っていた。


 無理矢理突っ込まれて、傷をつけられて、俺の容赦ない魅了の力に襲われて。あんなに泣いていたのに俺、止められなかった。


 全然気持ち良くなんかない。むしろずっと苦しかった。それでも止められなかったのは、俺の思いをシオンにわかってほしかったから。


 いや違うな。シオンは俺が嫉妬深いって知っているんだ、特に直也に対してはって。


 直也のことは天地がひっくり返っても許せない。けれどシオンは直也を許し、友達のままでいるなんて言う。あいつもあいつで、結構頑固だから。


 どうしても譲れないものなんだろう。それは俺も同じ。どっちもが譲らないから、こんなことになった。


 シオンのナカに俺の熱をぶつけて、耐えきれなくて。ついにシオンは逃げた。白猫のユキの姿になって、窓から逃げた。言葉を発することも、振り向くこともなく。


 残ったのは俺が乱暴に剥ぎ取ったビリビリのシオンの服。しわくちゃになったシーツにシミを作ろうとしている白濁と、赤い液。


 シオンの白濁。シオンの血液。シオンが開け放った窓を見つめていた俺はうつむき、その2色の液に視線を落とす。


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