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天才小説家、高台寺笑也
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しおりを挟む「…………つまり?」
とりあえず、俺が最初は野良だったが家族とはぐれて。ばっちゃんに拾われて育てられていて、途中で悠一と出会ってからばっちゃんが死んで。それからずっと悠一と一緒に暮らしている。
っていうのを、ざっくり説明してやった。そしたら、この反応だ。
「なにか、俺に大事な部分を隠してないか?話が急に飛んだ気がするんだけど」
洗濯物を畳み終わって2階にある笑也の部屋のタンスにしまって。1階のリビングに戻ってお茶を淹れてくれた。湯気が立ち上るそのお茶を「フーフー、アチッ」と冷ましながら飲んで。
ギクッ。危うく、熱々のお茶をこぼしそうになった。ヤバ、笑也に顔を向けられねぇわ。
簡単に見抜かれて目を反らしている俺の様子に、笑也は「仕事しながらでもいいか?」と、おぼんにお茶を乗せて再び2階の仕事部屋へ。洗濯物を畳んだ部屋だ。
ゆったり大きな座椅子はあるがテーブルはない。俺はその座椅子に座って、笑也はおぼんを床に置くと自分のお茶を持ってパソコンがあるデスクへ。
「俺に『助けて』って言う割に、まだ隠すんだな?まぁたしかにまだ出会って日も浅いけどさ。それじゃあ俺も思うように力になってやれないぞ?」
そう言って、引き出しから鍵のついた小さい箱みたいなのを取り出す。
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