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本当の愛
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しおりを挟む「体全体が大きくて、アソコも逞しい。男らしくて、僕とは違って格好いい。大人で、たまにだらしないところや可愛いところもあって。他人思いで優しくて。本当は色んな人と話をしたいのに自分の力を気にかけて離れて、寂しそうにしているのも見ていたんだ」
ソランさんの声のトーンが落ちた。悠一を見つめて、そこでやっと悠一が顔を上げた。濁った、光を失った黄色い瞳に儚げなソランさんの顔が映る。
きっと、それは悠一の優しさ。スッと持ち上げられた手が、ソランさんの頬を撫でた。上に上がって、頭を撫でる。ゆっくり、なだめるように。
ズキンッ。痛い、嫉妬の痛み。それから、ソランさんの心の痛み。
悠一は優しいから、心を失うほどのことをされてもソランさんを嫌いになることはできない。だから無意識にあんなことをしたんだ。
苦しいな。悠一の行動に嬉しそうに笑顔になるソランさんが、チュッと悠一と唇を合わせた。
でも俺は、何も言わない。黙って見ている。だって俺にはわかる。悠一への想いの、愛の大きさで勝ち負けが決まるわけじゃない。
最終的に、悠一が決めるんだ。
「へぇ。泣いちゃってるけど、負けたって思った?ぐうの音も出ないのか?」
「シオンさん、このまま黙ったままでいいのかよ?俺、何もできないのが辛い、苦しいんだ。あの蛇野郎がシオンさんの悠一さんを好き放題ベタベタしてさ、血液が沸騰する……」
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