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プロローグ
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しおりを挟む誰かがやらないといけない。
生まれてから死ぬまで、そしてまた生まれてからもずっと。何度も転生を繰り返し、その全ての人生を犠牲にしてでもやらないといけない。
それがあたし達“永久の鬼追い”の使命。あるお方に任命されて引き受けてしまった。だって彼が笑顔で首を縦に振るんだもの。嫌だったけど、あたしはついていくしかないじゃない。
あるお方っていうのは、平安時代の安倍晴明。天才陰陽師と言われているあの、スーパースターな安倍晴明様よ。
晴明様、自分が寿命で鬼を倒しきれないからってあたし達に押し付けたの。しかも、呪を受けて人間ではなくなったあたし達の存在を歴史から消して。
勝手に決められた、こんな自由も果てもない人生なんて嫌に決まってるわ。でも、それでもあたし達がやらないといけないの。
あたし達がこの宿命を放棄しちゃったら、あっという間にこの世界の人間なんて滅んじゃうんだから。鬼達に食われてね。
悪霊やら妖怪やらが蔓延ってた時代からもう千年以上が経ったっていうのに、鬼達だけはまだこの世界で悪さしてるのよ。
悪さなんて聞こえが良い、可愛すぎるわね。素直に言うと、昼夜関係なく人間や家畜を襲って食らっているのよ。
どうして千年以上経ってもいなくならないのかなんて、あたし達にはわからない。理由も、鬼の発生源もずっと調べてるんだけどね。
気づいた時にはすぐそばに鬼がいて、襲いかかってくる。まるで人間のことが大嫌いな神様が、人間を滅ぼそうと鬼を生み出しているみたい。
とにかく、毎日湧いて出てくる悪鬼を見つけては討伐しているの、あたし達。
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