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鬼死団
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しおりを挟む新団員の9割は、7年前の百鬼夜行で何かしらを失い復讐に燃える人達。けれど、荒ぶる感情に支配されてしまっては鬼死団は務まらない。
アキラさんはそんな危うい人を見つけては1対1で話をし、目を覚ます見込みがなければ鬼死団を抜けさせる。そして心を癒すためにヒーリングハウスに保護する。
自分も深く深く絶望したから。生きていることが恥だ罪だと、死を考えたことも多々あった。でもそのたびに部下が気づいて助けてくれた。
後ろから「まだ負けていない。鬼をせん滅するまでは、終われない。信念と、希望を持っていればまだまだ強くなれる。あきらめるな」って、どっかの誰かさんが腕を引き立たせたんだって。
まぁ、副団長なんだけど。全然、そんなことを言うようなやつじゃないんだけど。こんな時ばっかり格好いいこと言っちゃって。どんな顔をして言ったたのかしら?
アキラさんは皆に助けられている。だから、自分も皆のためにって頑張れるの。
でも、アキラさんだって人間だから。心が弱くなる時だってある。そんな時には、自分もヒーリングハウスに行く。
ヒーリングハウスっていうのは、主に戦死者の親族が集まるカウンセリングの施設。7年前の百鬼夜行をきっかけに作られたのよ。
立案したのはアキラさん。頭を失い絶望に染まる鬼死団を立て直し育てているのも彼。でも、彼は全部を1人でやっているんじゃない。
転生したあたしとマクベス、鬼死団副団長、生き残った団員や町の人々が彼の背中を支えている。
大きくて頼もしい背中。現代のマクベスともいえるほどに正義感の強い、皆から信頼されているアキラさん。ずっと、その背中ばかりを見てきた。
なによ、そんなに背中に自信があるの?バッサリ抉られちゃったくせに。
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