33 / 268
鬼死団
17P
しおりを挟む人間には決して心を開かない彼女は、使役しているハトや他の動植物にだけは心を開く、という噂がある。
集団行動もできなければ仲間と仲良くすることも頼り頼られることもできない彼女が鬼死団に入団したのも、いまだに続けているのも不思議なんだけど。
彼女の強みは爆弾だけじゃないの。高い知能と知恵と、それから独自の情報網を駆使した最速の情報取集。
毎日常に5羽はハトを飛ばし、24時間広範囲をパトロールしているの。全ての使役ハトと意識が繋がっているらしいんだけど、そのおかげでハトが得た情報は彼女がすぐに察知できるんだって。
まぁまとめると、すっごく変人だけどまだまだナゾがたくさんある宇宙人。は、言いすぎか。とにかく変人。
「用事は終わり?ならボクはもう帰る。急がないと。ばいばいばいばー」
「また新しい爆弾作ってるの?」
「それもあるあるあーる。ちょっと……大怪我を負った子がいるから、死んじゃうかもだから……」
「大怪我!?死んじゃうかもって、ハトでも一大事よね。あたしにも手伝わせ――」
「だめ」
白いハトを1羽だけ肩に乗せてあとは解散させたユエさんが帰ろうとして、あたしは声をかけた。好きじゃないけど、もう少しだけ話をしていたかったから。
でも、ドアの前に立って振り返った彼女は真剣な顔で拒絶。怒ってる?あたしを睨む彼女の目は、眼光は鋭い。
「危険。救世主の剣を危ない目にあわせるわけにはいかないないない。だから、ダメダメダーメ」
うーん、真剣みが薄れる口調よね。表情を見れば真剣にあたしの体を案じてくれているんだって一目瞭然なんだけど、ただ単に家に入れたくないっていうのもあるのかも。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる