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ナツメと安倍晴明
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しおりを挟むあたしがマクベスだったら我慢できないかも。マクベスの正直な部分があたしの太もものあたりに当たっててドキッとしちゃった。
「その必要はないわ」
放った一言に、マクベスの笑顔が緊急停止。驚いた顔であたしを見下ろす。あたしが何を考えているのかわかっちゃった?さすが、永久の鬼追いのパートナーね。伊達に何百年も長く一緒にいないわ。
「あたしからの愛はないけど、パートナーとして付き合ってあげる。そんなに我慢ばっかりしちゃったら、どこで支障が出ないともわからないわ。突然外でサカって襲われたら大っ嫌いになっちゃうし」
「い、い、い、いや、で、でもっ……こ、こればっかりはほら、ナツメの負担の方が大きいわけだし……」
「何よ、せっかくあたしが腹をくくって体を貸してあげるって言ってんのにいらないって言うの?ヘタレね!」
「そういうわけじゃ…………あーもう、完璧に目が覚めちゃったよ。ナツメは本命がいるのに、俺のために抱かれてくれるっていうのか?」
「そうよ。晴明様はここにいる、あたしは愛する人といつも繋がってる。でもマクベスはそうもいかないでしょ?だからよ。素直に受け取りなさい、あたしの気が変わらないうちにね」
「う、うぅぅぅん……」
何よその情けない返事は。そうよ、あたしはマクベスに抱かれてやってもいいって言ったのよ。上から目線すぎる?これがあたしよ!
あたし達は恋人じゃない、それ以上の永遠のパートナーなんだから。何よりあたし自身がマクベスのためにそこまでやってあげたいって思うんだもの。
たとえそこに愛がなくても。マクベスのためになるのならあたしは力になりたい、支えたい。そうでしょ、晴明様?
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