恋人以上、永遠の主人

那月

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そうだ、お鍋にしよう!

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「――料理の腕に自信がある人?……え、ちょっと待って、誰もできないの?あたしは何でもってわけじゃないけど、それなりだし。ユエさんは?」


 安くて新鮮が売りのスーパーに着いて。カートをアキラさんに押してもらいながら2人に声をかけてみたら、シーン。


 嘘よ。嘘よね?リリちゃんはともかく、ユエさんは得意なはず。だって、家の片付けをしてくれるアキラさんに手料理をご馳走してるんでしょ?


「ボクは他人様のためになんて作らなーいなーいなーい。団長?あぁ、あれは餌付け。イイモン食わせておけば、また片付けてくれるからったーらったったー」


「ええええ餌付けっ!?その割には手の込んだものを作ってくれるではないか。ユエの手料理は絶品だ、皆にも味わってほしい。今日はその腕を思う存分振るってくれ。な、何だその手は?」


「チャリーン。いくらくれる?」


 はい、始まりました。ユエさんの報酬交渉。アキラさんがユエさんの腕前を売っちゃったから。ユエさん、お得意の“お金ちょーだい”のポーズ。


 ケータイの電卓を叩いてはユエさんに見せ首を横に振られているアキラさんは放っておきましょう。


 8人だから、お鍋は2つのはず。スープ?味つけはユエさんにお任せするから、定番の長ネギ、大根、人参、白菜。シイタケ、エノキ、木綿豆腐、油揚げを手分けしてかき集めた。


 あとは、やっぱりお肉よね。リリちゃんに何のお肉がいいか聞いてみたら「馬肉が大好きですっ」って。


 どうしよう。見当違いすぎてツッコミの言葉が見つからないわ。しばし硬直して、もう1回聞いちゃった。そしたら「豚肉と鶏肉、両方とか贅沢でしょうか?」と苦笑。


 あぁぁぁ可愛い!ぜんっぜん、贅沢なんかじゃないわ!今日のお会計は言い出しっぺの元凶、アキラさんのポケットマネーから全部出るから平気平気!


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