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そうだ、お鍋にしよう!
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しおりを挟む改めて、買い出し終了。お会計は、今まで見たことのないケタの価格だったわ。女性陣3人でいくつもの袋にわけて入れている間、アキラさんは完全に真っ白な灰になっていた。
20キロのお米は、当然アキラさんに持たせて、肩に担いだからあと重たい袋を5つくらい持ってもらって。
もう口を開くこともなくなった彼を先頭に車へ。運転手はアキラさん。店内から1回で荷物を積み込めたのは良かったわ。結構多かったけど、皆が頑張って持ってくれたから。
あたしも頑張った。ただ、ユエさんだけは軽い袋を2個だけ。爆弾より重いものは持てないとか、わけのわからないことを言っていたわ。
「荷物持ち係がマクベスじゃなくて良かったわ。一緒に買い出しに行くたびに、必ずお菓子をたくさん買うんだから。子供よね」
「お、お菓子っ……羨ましいです。私、あんまりお菓子なんて食べたことなくて。お父様の言いつけと……あと…………ふ、太りやすいからっ」
車に乗り込んで一息つくと、隣でリリちゃんがそんなことを言った。リリちゃんは幼い頃から、鬼死団だったお父様に厳しく育てられてきたから。
でも本音は、最後の部分でしょ?あたしもそうだから。でも、アキラさんじゃないけど、今日くらいは好きなお菓子を選んでもらえばよかった。
シュンとうつむくリリちゃんの表情に、胸が締め付けられそうになった。今すぐ車を飛び出して、お菓子を買いに行くわよ!
なんて、もう遅かった。色々と、燃え尽きたアキラさんは車を発進させていたから。ごめんねリリちゃん、また今度で!
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