103 / 268
戦友は一時休戦、家族団らん
14P
しおりを挟む急に静かになった。食欲が勝ってまだ口をお箸を動かしている人もいるけど、皆あたしとマクベスを見つめる。
そうだったんだ。家族を感じる。人間じゃないあたし達も、皆が大きな家族だって言ってくれるのね。皆の視線が、温かい。
ただの思いつきで皆を振り回して、って思っていたのに。アキラさんの言葉には力があって、今まで協力してくれたどの人よりも頼もしい。まるで、大家族のお父さん。大黒柱。
先代の鬼死団長はアキラさんよりも強く頭がよく、仲間以外のたくさんの人達から尊敬され頼られてきた人だったけど。アキラさんはその先代を失ったからこそ、さらに強くなったのかもしれない。
アキラさんも、他の鬼死団の人達も、鬼に殺させない。
絶対に、必ず、今回のうちに全ての鬼を滅する。アキラさんは、皆はあたし達が守る。あたし達、家族みんなで守る。力が湧いてくるのを感じるわ。
人間って最低で、人間って素晴らしい。
「ありがとう。幸せな、最高の家族だ」
マクベスが立ち上がり、目が合って同じく立ち上がったアキラさんに手を差し出す。ガッチリ握手を交わして、自然と拍手が起こる。あ、ユエさんもモグモグしながら小さくパチパチしてくれてる。
あれ、もしかしてこのお鍋パーティーって仕組まれてた感じ?アキラさん、あたし達に家族を「感じてほしかった」って言ったし。皆も知ってたの?
向かいのカレスに聞いてみたら、違うみたい。皆でお鍋を囲む夢を見て、思いつきでっていうのは本当なんだ。
ぐぅぅぅぅーー。………………え?首を横に振ったカレスが、照れ笑いを浮かべながらお腹を押さえている?
「あ、あははは……」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる