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動いた山は氷山の一角に過ぎない
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しおりを挟む大型鬼が出現したらすぐに跳んできちゃいそうだけど。勝手に攻撃される前に止めに入れる人がいないと街が爆心地みたいになるわ。
「あぁ。しかし小童子か。鎧鬼といい、7年前の災鬼や戦鬼といい文献の中だけでしか知らなかった鬼がこうも次々と現れるとはな」
「そう言う割には、初めてとは思えないくらいしっかりと戦えているさ。アキラさんには戦闘の才能がある」
「こんな才能、本来ならいらないんだ。あなた方はどう思う?」
大型鬼はそう何体もいない、むしろ1体しかいない種類の方が多い。鎧鬼も7年前の災鬼や戦鬼も、あの1体ずつがこの時代に出てくるはずない。
だってあいつらは、あたしとマクベスが大昔に1度倒しているんだもの。あ、戦鬼だけは倒せなかったわ。
なんてったってあたし達が初めて戦鬼と戦ったのは晴明様が亡くなってすぐだもの。メッタメタにやられたわ。1度死んで、生まれ変わっても奴はいた。目の前に。
転生してあたしとマクベスがお互いを探して旅をして、再会をした1年後にまた殺されたの。
怖かったわ。マクベスはあたしと再会するまでずっと1人で戦鬼と戦いながら旅をしていたんだもの。再会してからの1年間もずっと戦い続けっぱなしだった。
戦鬼はまるで、マクベスが新しく転生する場所を知っていたかのように現れたそうよ。
2度目に殺されて次に転生した時、もう戦鬼は世界から消えていた。いつどこでどうやって消えたのかはわからなかったけど、誰かに倒されたってことはないみたい。そんな歴史がどこにもなかったから。
本当にあたし達が転生することも場所も知っていたとか、とんでもなく有り得ないことを考えたくもないけど、それ以外考えられないのよね。
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