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ハーメルンのホラ吹き
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しおりを挟むまるでゴミでも見るかのように女に目を向けて「フンッ」と鼻を鳴らし、酒吞童子の発言に驚いているのは知力に長けた茨木童子。
セミロングの銀髪を肩で結って流していて、銀色の瞳は鋭利な刃物のような鋭さがある。
マクベスより小柄な体格。頭を使う方が得意だけれど、戦闘になれば大型の鬼を1人で相手するよりも厄介よ。
何か特別な恩義があるらしい。いつも酒呑童子と行動を共にしていて、自由気ままな彼のお目付け役でもあるわ。いつも振り回されちゃってるんだけど。
そんな茨木童子にいつも苦労をかけまくっているのが、鬼の中で最強の酒呑童子。
人間の血を浴びたような赤い髪に、茨木童子と同じ銀色の瞳には全く隙がない。体が大きく身長もアキラさんより若干高いくらい。
昔、晴明様がたいそう苦労してやっと御身に封じたっていうのに。こうも平然と目の前に立っている。
名前のとおりお酒を飲むのが大好きで、1日でとんでもない量を飲むわ。誰かれ構わず「酒を持っているか?」と問うのが口癖で、当然持っていないわけで子供のようにいじけるのよ。
茨木童子はそれほどでもないけど、酒吞童子は元々が人間だった影響が強いせいか人間に強い親しみを持っている。
人間が大好きで、昔はよく本性を隠して大勢の人間と昼夜問わずお酒を酌み交わしていた、らしいわ。
明るくて豪快で、力の塊みたいな彼は戦闘も派手になる。攻撃をモロに受けても楽しそうに笑いながら戦うのよ。今ここに生きていることが最大の楽しみなのかもしれない。
あたし達とも、何度も戦ってきた強敵。けれど、彼の人柄からか憎めないのよね。
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