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開戦再び
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しおりを挟む「グォォォオオオオォオォォォォッ!!?」
瞬間、今まで聞いたことのない銃声が響いた。銃声というか「ドガンッ!」っていう爆発音だったんだけど。
災鬼の右目から真っ黒い血しぶきが噴き出して、絶叫しながらあたしとお兄ちゃんを放り捨てた。
すかさずお兄ちゃんをアキラさんが、あたしをマクベスが受け止めて大きく跳び下がる。直後、災鬼の巨体がグラリと傾いて地面に手を突いた。
さらに今度は戦鬼。右腕に真っ赤な炎の、右足には土や岩の、左足には雷の、首には氷と水の巨大な大蛇が巻き付いて噛みついているわ。
そして太い角が2本生えている頭には、百以上?数百羽のハトが羽根を舞い上がらせながら次々と襲いかかっている。
「団長と副団長、下がって。爆死したくなかったら。ドッカーンッ!!」
本当にドッカーンッ!!と、戦鬼と災鬼の足元で大爆発。1発じゃない。彼女はとても、とっても楽しそうに口元に笑みを浮かべて、次々と大きな爆弾を投げつけているの。
あぁ、ずっとおあずけを食らっていたものね。鬼を倒すためにも彼女のストレス発散のためにもちょうどいい機会。
「新しい情報を仕入れたのじゃ。マクベスとナツメは直接、羅刹を倒しに行け」
ストンッと、ビルから飛び降りたらしいミケさんがあたし達の前に降り立った。魔法でゆっくり降りてきたわね。
両手を広げて、戦鬼と災鬼の方へは行かせないと言う。あの2体を呼び出した羅刹を倒さなければ、戦鬼も災鬼も完全に倒すことはできない。
そんなことを言われても。あたし達が一緒に戦っても倒せる気がしないのに、ここを離れちゃったら時間稼ぎにもならない。
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