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羅刹とカレス
3P
しおりを挟むまた高く飛び上がると、今度は出現した岩の壁の上に飛び乗ったお兄ちゃんが両手を突き出して2体の魔獣を召喚。
「行けぇっ、バーニングパンサー!ウインドルパンサー!」
1体は炎でできた大きなヒョウ、もう1体は風の塊でできた大きなヒョウ。お兄ちゃんの両手から放たれた2体はまっすぐ羅刹の元へ。
手を上げようとした羅刹の足元で地揺れがして、盛り上がった地面から複数の鎖が飛び出し羅刹の両手足、更には胴体と首に巻き付いて拘束。
全く動けなくなったその一瞬の隙に2体のヒョウが飛びかかった。
バーニングパンサーはあたしが撃った腕を焼き尽くして炭に、ウインドルパンサーは4枚の羽根を切り刻んで消滅させたところで衝撃波を受けて霧散。
複数あった鎖も衝撃波でガシャンッ!と砕けてしまい、羅刹の拘束が解かれる。
けれどあたし達にとっては十分すぎる繋ぎになったわ。羅刹の真上、高く高く舞い上がっていたマクベスは一気に急降下。
重力を味方につけ翼を羽ばたかせ加速、鬼斬り丸を振りかぶる。ものすごいスピードで風がビュウビュウ鳴って他には何も聞こえない。
「「いっけぇぇぇええぇぇぇえぇぇぇぇッ!!」」
ザシュッ!と、振り返った羅刹の左胸から左足を鬼斬り丸が深く斬り裂いた。心臓にまで達している。
ザシュッ!と、羅刹の右の爪がマクベスの右胸を貫いた。羅刹の肘まで埋まって、マクベスの背中から赤く濡れた羅刹の右手が見える。
同時に、大量の血を吐いた。同時に、カレスが走ってきた。
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