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終末の先の景色
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しおりを挟むて、転生してからのことよ!?それまでは晴明様と過ごしていた時代が1番なんだから!
なんて勝手に顔を赤くしていると、マクベスの「あれ?」っていう情けない声が聞こえた。
振り返ってビックリ。彼の体、透け始めていたのに今はハッキリ見えるのよ。他の人達と同じように、ちゃんと触れる実体。でも胸元の紋様は消えてる。
し、しかも半ドラゴンの姿じゃなくなってる!?翼も角もないし、両腕は人間の腕だわ。どうなっているの?
「マクベスは元々人間。時を止めて呪をかけていた故、呪が解けた今、止まっていた時間が動き出したんだよ。本来の寿命まではこの世界で生きていける、ということだな」
そんなの初耳よ、晴明様!?
「しかしナツメは私の式神。今はマクベスと契約しているが、彼に陰陽の力はない。故に緊急だったとはいえ、一時的な契約はすでに解け私のものに戻っている。つまり、ナツメは私と共に消える」
だいぶ透けてきているあたしの手を強く引き、意外にも呆気なくマクベスの手があたしの手を離した。噓でしょ。
あっさり晴明様の腕の中に納まったあたしを見つめる、マクベスの顔がマヌケすぎて笑えちゃう。
「大事な私のナツメだ、そろそろ返してもらおう」
…………え……えぇぇっ!!?なんか、意味深なセリフが聞こえちゃったんだけど。皆、口々に「あぁー」って顔を反らせたり額に手を当てたりしちゃってさ。
リリちゃんは顔が真っ赤、ティンさんでさえ頬を赤く染めてるし。お兄ちゃんなんて目を細めてガッツリ引いてる。
羅刹まで、大笑いなんだけど。あれはあれでムカつくから思いっきり睨みつけてやったわ。
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