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大好きなんです
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しおりを挟む「大丈夫?あんな怖い目に遭って、それでも俺を見捨てないでいてくれるのはとても嬉しいよ。感謝しきれないくらい。でも、これでも俺は君と歳があんまり違わない男だよ。初対面だけど、そこまで信頼してくれているのかなと思って」
「あたしよりいくつか上ですよね。でも、正直言ってアソラさんならあたし1人でも撃退できそうです。それに、そういうことを考えるような人じゃない感じがして」
なんて、いくらなんでも失礼かしら?花妖に殺されかけちゃうくらい最弱な彼でも、彼は年上の男性。その気になればあたしなんか襲うことはできると思う。
でもなんでだろ、こういう欲よりお花への欲というか執着が強い気がして。あ、そうみたい。苦笑してる。
「そうだね、俺には性欲がないんだ。生まれてからずっと花ばかりだったから、そういうことにも興味がない。素直に言えば、魅力とかいうのも感じない。だから安心していいよ」
「なら、しっかりきっちり店の手伝いをしてもらうわ。結構大変なんだから体力がつくわよ、覚悟してね」
「はい、店長。無意識につまみ食いするかもしれないから、見つけたら遠慮なく叱ってね、えっと…………そういえばまだ君の名前を聞いてないや」
あれ、あたしまだ名乗ってなかったっけ?部屋の窓を開けて吹き込んできた風に髪を撫でられたあたしは、振り返って微笑む。
「アソラさんよりもお花が大好きなフラワーショップミサキの店長、ミサキよ。よろしくね、花喰みのアソラさん」
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