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綺麗な花にはトゲがある
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しおりを挟む「え、そ、それって……んっ、あ……」
「やっと触れられる。初めてのキスだな。プッ……アホみたいな顔しやがって、可愛いな。クスクスクス」
花妖、さらにダウン。だってあのお2人さん、ラブラブなんだもの。幸せそうに笑い合って、またキスしてる。
カインさんが男であること、それに悩みつつも必死に隠しながら思いを寄せているカインさんの強い想いに気付いたから。全部受け止めて、それでもカインさんを愛している自分の心を受け入れたから。
ディールさんからは苛立ちと怒りが、カインさんからは絶望と恐怖が消えて。性別を超える愛と幸せに満ち溢れている。
でもごめんなさい、こっちはまだ終わってないの。弱ってきたとはいえまだ攻撃モードの花妖が、こめかみに怒りマークをつけてせせら笑う。
「ふっざけんなよぉ、クソカップルがぁ……くっ……こうなったら、お前を喰って強くなってやるよぉッ!」
幸せオーラ満載で明るくお花とハートが咲きほこっちゃってる2人から逃げるように這い寄る花妖が、アソラさんに牙を剥いた。
ただのお花を花妖化させる力を持つ花喰みは、花妖にとっていわば最強の肥料。喰らってその力を取り込むことで急成長し、力も何倍も強くなって凶暴化してしまう。
誰よりも力が強くて最弱のアソラさんはだから、何度も喰われそうになるんだって。それでも彼がこうして今も生きているのは――
「喰われるのは君の方だ」
「なっ!?あ、がっ……ぎぃ、あぁぁぁ……!!」
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