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ツンツントゲトゲ
8P
しおりを挟む左耳から右耳まで貫通して穴が開いちゃいそうなほどの叫び。なにこれ、何だかかわいそうすぎて痛みを感じないんだけど。
何倍も大きくなったとはいえ、縫い針くらいのトゲを1本ずつ抜いてナライちゃんを抱きしめる。原因はあなたです。
思ったほど血は出ていないし、手当ては花妖を倒してから。放心状態の彼女を背に隠し、あたしは彼に向き直る。
1番至近距離でトゲ攻撃を食らっていたはずのアソラさんは、別の意味で完全ノックアウト。
「うぉぉぉぉっ、あんたが例の花喰みだな!このクソガキをボッコボコに…………サボテンの何たるかを教え込んでやろうと思ってたんだ、ラッキーだぜこの野郎ッ!」
「うぐぅっ!!ぐはっ!…………み、ミサキさん、あとは……よろし、く……うっ」
無理ですよアソラさん!?だめだめ、死なないでください!?あぁ、アソラさんの口から魂的なものが抜け出て行くのが見えるようだわ。
っていうのも、サボテンの花妖がアソラさんに抱き着いているから。
しっかり、ギューッと力一杯。全身に鋭いトゲを生やした、小学2年生くらいの小さな男の子の花妖が抱き着いちゃってるから。
しっかりアソラさんの全身にトゲが刺さっています。えぇ、それはもう深々と。瀕死。
花妖は花喰みにしか倒せないんでしょ?アソラさんが倒れちゃったらどうしようもないじゃない!花妖はナライちゃんに積年の恨みを果たそうとしてるし、どうすればいいのよ!?
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