惰眠童子と呼ばれた鬼

那月

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親友と金魚のフン

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 その間、酒呑童子はなんと13匹もの魚を釣り上げた。どれも10センチくらいの小さな魚で、不満の声をあげては針を外して魚を池へポチャン。


「こんな良い場所、なぜ人間は寄り付かないのだ?」


 やっと最初の1匹を針につけ終え、池に糸を垂らして隣の酒呑童子に声をかけた。初めての釣りに、なんとなく緊張する。


「この池、実はその昔、池に小便をした男が誤って足を滑らせ死んだんだ。それでその男の骨は今でも池の底。時々、夜になったら下半身丸出しの幽霊が出るって噂なんだぜ?」


「マヌケだな。それはまた、恐怖とは別の意味で近寄りがたくなる話だな」


 聞かなければよかった池の秘密も知り、緊張がほぐれた。竿がどんな風になれば引き上げればいいのかも聞いたが、いまいちピンとこない。


 酒吞童子の説明には無駄に擬音が多すぎるのだ。竿を持つ手に振動がくるらしいが、ツンツンと来ればまだ獲物がエサを突っついている状態だとか。ギュンッとなれば一気に引き上げろだとか。


 色々言っていたが、よくわからん。要は実際の感覚で覚えるしかない。


 俺が糸を垂らしてから酒呑童子が5匹釣った頃。俺は当たりすらないしウトウトし始めたのでので1度引き上げてみた。


「……ミミズがおらん。なぜだ?」


「あー、盗られたな。つけ方が下手くそだと、そうやって口が小さい魚に食われるんだ」


 そう笑って彼は正しいエサのつけ方を教えてくれた。なるほど、俺が付けたのと全然違う。俺がつけたミミズは、針の先でミョーンと伸びていたからな。


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