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親友と金魚のフン
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しおりを挟むいつもつき合わされ振り回される。と、他の鬼は陰で言っていた。今は、俺という新しい玩具を見つけて楽しんでいる子供。
飽きれば捨てられる。ということはないが、せいぜい気をつけろよと茨木童子は言っていた。
茨木童子は酒呑童子と1番付き合いが長く、完全に従者のような腐れ縁の関係になっている。賢く口では勝る。が、それでも疲れるらしい。
今は俺がいるから休息をとるために、しばらく遠くへ旅に出ている。悪く言えば、俺は生贄だな。
「まぁ、私は君達が悪さをしないのなら良き友でいたいと思っているから。そこは、信じてね」
「信じてほしかったらあと50年は、俺を放っておいてくれ。眠い」
「おじいさんになっちゃうよ。下手したら死んじゃってるよ。私達人間は君達鬼と違って、とても寿命が短いのだからね」
「時久、引いてるぜ」
「おっと。ん、うっ、重い……」
グイグイッと、竿が持って行かれそうになる。それほど大物だというわけではないだろうが、右へ左へ動き回ってなかなか引き上げられない。
酒呑童子と朔に応援される中、踏ん張っても振り回されて徐々に川の方へと足が進んでいく。
と、急に竿が軽くなった。針が外れたとか糸が切れたとかではない。横から酒呑童子が右手で俺の竿をつかみ、引っ張ったんだ。
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