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心
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しおりを挟む「――すっっっっきりしたぁぁぁぁっ!!」
「うるさい黙れ動く爆音騒音ボロいのだから家が壊れるわなんだ1週間の便秘解消か?そりゃあよかったな家が臭くなるゆえかつての住処に帰れ」
「…………酷すぎてすげぇー……」
どうだ、息継ぎなしかつ感情もなしの棒読み銃だ。言葉の弾丸は効いたか?
ルンルンでテンションマックスなキツネが帰ってきた。全て吐き出したという感じか。ただただ、うるさくて耳がキーン。
普段のキツネならしばらくヘコんでいるが、今日は一味違う。落ち込んだものの、すぐに立ち直って俺の隣に座った。
「もう大丈夫じゃ。僕は強くなった。旦那はこのあと大事な用事があるんじゃろ?僕、応援してるから。待ってる。ここで、ヤモリのじっちゃんと一緒に旦那の家を守ってるのじゃ」
俺が夜、歌磨呂と会うことを知っているわけではない。なんとなく、察したようだ。今晩はここに泊まる、俺が帰ってくるまで待っていると言う。
いつもはアホまる出しの、空気の読めぬ天然キツネのくせに。こんな時ばかり敏感に感じ取って。
いつものキツネなら、中途半端に察しただけじゃ知りたい欲求が押さえられないはずだろうに。こんな時ばかり、笑顔で大人しくしているのか。
キツネのくせに。
余計なことを。だが、なんだか胸の奥が温かい。俺も長年こいつと関わり続けて、変わったものがあるようだな。
背中を押して、待っていてくれるやつがいる。信じてくれるから、俺もそいつを信じて素直になれる。
少し前までは決してそんなことはなかった。全て自分で考え自力で何とかしてきた。1人でも、大抵のことはできる。できなければ諦める。それだけだった。
人間も鬼も狐もヤモリも、1人では生きていけぬ。それを思い知らされた。温かさを知った。
違う、思い出したのだ。昔、酒呑童子と暮らしていたあの頃の、心の温かさを。
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