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とある拉麺屋
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いつからであろうか。こんなに身体という殻が邪魔くさいと感じたのは。
それは、きっと退職…社会内の一般常識という何もかもが薄い本の中には、きっとリストラと言われるものなのであろう。会社の為に精一杯頑張ったボロボロの雑巾は捨て、新たに『年』というものが連れてきた吸水性のあるマイクロファイバーの布巾を手に入れる。このように社会は、矛盾や葛藤に塗れている。今目の前を通り過ぎた女の子通称「JK」と呼ばれる輩は、きっと学校というグループ内での矛盾などに苦しむ事があるだろう。だが、そんな事で倒れるほど辛い事じゃ無いのは自転車よりも遅いスピードで身体を動かしてきた齢60の私の方が知っている。
だが、いつまでたっても矛盾などに関してはきっとこの先、いくつ歳を取っても多分苛立ちを感じるであろう。さて、この身体をどうしようと考えながらも前へ前へと会社という醜いコンクリート製の建物から離れて行ってる時、老眼鏡のレンズ越しに気になるものを見つけた。それは、飲食店だった。拉麺屋だ。まだ黄色くない、最近出来たと部下達が言ってたのが記憶に新しい。だが、やめておこう。この身体だ、そんなものを食べたところで満足いくわけがない。と思ったが、どうしても食べたい。そう思ったのは、きっと高校生活で部活から帰る途中、よく通っていた黄色いあのお店を思い出した。「…まだ、電車も来ないから少しだけ。」注文したのは、野菜が多く盛り付けられた野菜拉麺だ。人参やもやしがめいいっぱい盛られていて、胡椒の強い香りを老いた鼻でも感知できた。一口目、二口目とすんなりと口の中に入っていく。こんなに食べたのはいつ以来であろうか。5年前より程遠い過去の話な気がするが、そんな追憶をするよりもこの麺を食べたいと身体が語っている。食べ終わってからふと、営業者の板を見た。「…山城…健太………!」この4字の漢字にある記憶がある。そう、昔通っていた拉麺屋の息子だ。懐かしい。健太という男とは、4歳差があり、中学や高校で一緒にならなかったが仲良くしていた兄弟のような友達のような存在である。ちょいと声をかけてみよう、連絡を最近取れていなかったからな…「おぅい、健ちゃん。兄ちゃんだよ。覚えてるかい?○△に住んでた。」というと、「誰だい?俺はそんな町に住んだ事ねぇぞ?」一蹴である。あぁ、こんなこともあるさなどと言ってられない。なんなら1日の初めに、リストラというと大きな付箋も付いている。今日という1日を日記で書くならいい意味は無いが悪い意味でいっぱい書く事ができそうだと、夕暮れが付き添ってくれる国道の歩行者通路を歩いて家に帰った。
それは、きっと退職…社会内の一般常識という何もかもが薄い本の中には、きっとリストラと言われるものなのであろう。会社の為に精一杯頑張ったボロボロの雑巾は捨て、新たに『年』というものが連れてきた吸水性のあるマイクロファイバーの布巾を手に入れる。このように社会は、矛盾や葛藤に塗れている。今目の前を通り過ぎた女の子通称「JK」と呼ばれる輩は、きっと学校というグループ内での矛盾などに苦しむ事があるだろう。だが、そんな事で倒れるほど辛い事じゃ無いのは自転車よりも遅いスピードで身体を動かしてきた齢60の私の方が知っている。
だが、いつまでたっても矛盾などに関してはきっとこの先、いくつ歳を取っても多分苛立ちを感じるであろう。さて、この身体をどうしようと考えながらも前へ前へと会社という醜いコンクリート製の建物から離れて行ってる時、老眼鏡のレンズ越しに気になるものを見つけた。それは、飲食店だった。拉麺屋だ。まだ黄色くない、最近出来たと部下達が言ってたのが記憶に新しい。だが、やめておこう。この身体だ、そんなものを食べたところで満足いくわけがない。と思ったが、どうしても食べたい。そう思ったのは、きっと高校生活で部活から帰る途中、よく通っていた黄色いあのお店を思い出した。「…まだ、電車も来ないから少しだけ。」注文したのは、野菜が多く盛り付けられた野菜拉麺だ。人参やもやしがめいいっぱい盛られていて、胡椒の強い香りを老いた鼻でも感知できた。一口目、二口目とすんなりと口の中に入っていく。こんなに食べたのはいつ以来であろうか。5年前より程遠い過去の話な気がするが、そんな追憶をするよりもこの麺を食べたいと身体が語っている。食べ終わってからふと、営業者の板を見た。「…山城…健太………!」この4字の漢字にある記憶がある。そう、昔通っていた拉麺屋の息子だ。懐かしい。健太という男とは、4歳差があり、中学や高校で一緒にならなかったが仲良くしていた兄弟のような友達のような存在である。ちょいと声をかけてみよう、連絡を最近取れていなかったからな…「おぅい、健ちゃん。兄ちゃんだよ。覚えてるかい?○△に住んでた。」というと、「誰だい?俺はそんな町に住んだ事ねぇぞ?」一蹴である。あぁ、こんなこともあるさなどと言ってられない。なんなら1日の初めに、リストラというと大きな付箋も付いている。今日という1日を日記で書くならいい意味は無いが悪い意味でいっぱい書く事ができそうだと、夕暮れが付き添ってくれる国道の歩行者通路を歩いて家に帰った。
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