高塚くんの愛はとっても重いらしい

橋本彩里(Ayari)

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2-My goddess-【千歳SIDE】

46可愛い、りの②

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「りの。仲良くなるにあたっていろいろこれから質問しますがいいですか?」

 しますがいいですかって、俺、何言ってるんだ? なんで敬語。緊張してますってバレバレ? やっば、カッコ悪い。

「どうぞ」
「りのは彼氏いる?」

 りのは気にしていなさそうなので、気にしないことにする。
 どうぞと言ってくれたので、まずは男の存在の確認だ。いるなら奪うまでだけど。いや、こうやって付いてくる時点でいない可能性はある。軽い女ではないはずだ。
 そう思うけれど、りのの優しさにつけ込んで連れ出してきた自覚もあって、半ば祈るような気持ちでりのの返答を待つ。

「………………」

 だが、なかなか返答が来ない。うぐぐぐっと胸が圧迫されて、今すぐにでも問い正したいのを我慢しながら、りのの答えをじっと待つ

「………………」
「……えっと、いないけど」

 はぁー、よかった。まじでよかった。知らない誰かを殴らなくてすむ。余計な嫉妬をしなくて、それでりのを困らせることもしなくて済む。
 ほっと息を吐き、次はこれだなと質問を続けた。

「好きな人は?」
「いないよ」

 ああー、よかった。よかった?
 即答だったな。まあ、りのの心に誰もいないなら俺が入るまでだ。俺がこれから一番近いところにいけばいいだけだ。
 それには、可愛いすぎるりのとの時間の確保だ。
 でもなぁ、りのの返答はやっぱり素直に喜べない。どす黒い気持ちでムカムカとする。

 道中もずっと思っていたけど、りのは千歳の方はどうだとか確認してくれない。
 こういう時って、相手にも同じような質問を返すもんじゃないのか?
 聞いたら答えてくれるけど、それだけ。
 つまり、千歳に興味がないってことだ。会話を弾ませようとかも思っていないって言われているようで、その辺を考えると思いっきりへこむ。

 俺にもっと興味持って欲しい。今までは女性から寄ってきたから、自分から話題を振ったことはないし、黙っていても相手があれこれ話してかけてくることがほとんどだったから会話に困るなんて考えたこともなかった。
 だから、自分から話題を振ってそれに乗ってこない時とかどうしたらいいのかわからない。ましてや嫌われたくない。よく見られたいって思うと、いろいろ考えてしまう。

「りの、一緒にいたい」

 たくさん言いたいことはあるけれど、言葉にならない思いもあるけれど、もうこれだけは絶対だと、千歳はりのを見つめた。
 他に男がいないのなら、このまま他の男を寄り付かせたくない。そのためには、これからは千歳がなるべくりのとそばにいなければ。

 一緒にいてさえくれたら、俺に興味を持つ機会も得られる。
 というか、俺だけしか見えないようにしてしまいたい。俺がたった少しの時間でりのにのめり込んだように。

 初めて会ったのは相手を認識するかどうかのすれ違いのような出来事で、再会してからまだ少ししか時間が経っていないのに、こんなにもりのが欲しいなんて今伝えてもきっとわかってくれない。

 まだ、警戒しているのは伝わってくるし。

 だったら、とろとろと甘やかして、俺のことしか考えられなくしてから、俺しか見えなくしてしまってからじゃないと、この思いを打ち明けられない。
 やっぱり、忘れられてるってこともちょっと気になってるし。
 
 千歳は単純にそのことは拗ねていた。
 とにかく、りののことでいっぱいで、拗ねた気持ちも、焦がれる気持ちも初めてのもので持て余す。

 半ば強引にこれから一緒に過ごすことを承諾させ、必死さに絆されてくれたのだろう優しいりのに笑みがこぼれる。
 これからも一緒に過ごせると思うと嬉しくて、貼り付け慣れた笑顔を作る暇もなく口元が緩む。

 パフェが届くと、ぱぁぁっと顔を輝かせるところとか、めっちゃ可愛くて。
 そんなに簡単に喜色を浮かべるのは、強引であったけれど俺の存在をなんとなく受け入れてくれている証拠のようで、どれもこれも愛おしい。

「かわいい」

 めっちゃかわいい。口元が緩みまくって、思わず声に出してしまった。

 それに対しての反応はりのは自分のことだと思わなかったようだったが、少し鈍感なところも好感が持てる。
 むしろ、気づかないように予防線張ってるのではと思うと、つついて突破してやりたい気持ちになる。

 ああ、ぐずぐずにさせたい。俺だけを考えさせたい。

 千歳はりのを見つめながら、爽やかな笑みを浮かべながらそんなことばかりを考えた。

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