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婚約と俺様王子
安定の俺様王子②
しおりを挟むアンドリューが忙しいのは相変わらずであったが、ここずっと視察だとかで王宮にいないことも多く忙しそうだったので心配もしていた。
まさか、あっさり姉妹を引き離されてこういうことになるとは思っていなかったけれど、今日も顔を見られるだけでも嬉しいと思っていたくらいである。
ただ、久々の雰囲気にとても緊張する。
アンドリューの体温や息遣い、なにより見惚れるような美しい碧色の瞳にじっと見つめられると、焦ってしまう気持ちを隠せない。
前世の乙女ゲームのイメージから抜け出し、学生という区分を抜け王太子としてさらに活躍するアンドリュー。
彼はこの一年で、非常に私の好みにさらに洗練された端整な顔立ちになった。
美しい中に男味のあるそれは、気を抜けばぼんやりと見惚れることもあるくらいだ。
そんな相手にエロいこと、自分が王子の恋愛込みの欲の対象となることは、久しぶりに会うといまだに信じられず、初めてされるかのように緊張してドキドキする。
「やっぱりティアといる時間はいいな」
こつん、と額を合わせながらしみじみと言われ、きゅんっと胸が高鳴る。
じわじわと顔を熱くする私を見たアンドリューは、笑ったまま目を覗き込んできた。
その瞳の奥に確実に先ほどよりは欲望の火が灯っているのを見てとって、私は慌てて会話を続ける。
「あ、あー、と、アンディは体調のほうはどうですか? お疲れではありませんか?」
「ああ。問題ない。たとえ、疲れていたとしてもティアに会えばすぐに飛んでいく」
「そ、そうですか……」
にこっと笑みを浮かべながら、眩しいくらいの王子様スマイルをアンドリューが浮かべる。一見爽やかに見えるそれだが、確実に空気は色の含むものへと変わっていた。
私が瞬きすると、かすかにアンドリューの睫毛に触れる感触でさえ敏感に感じ取り、平静でいられない。
「ティア」
「そ、その、えーっと……」
声音とともに徐々に濃密になる気配に耐えきれず、とにかく話題がないかと考えていると、するりと伸びてきたアンドリューの手がそっと胸の上に置かれる。
そのまま私のとくとくと速くなる鼓動を確認すると、長い指が服の隙間からするりと入り込もうと動き出した。
握っていたはずのもう片方の手はいつの間に離れたのか、今日は背中側にあるリボンをするりと解き緩め、あっさりと侵入された。
不埒な手が肌に触れ、敏感な部分にも触れられ、確信犯的な手の動きに身体を捩って抵抗すると、ふっと笑うアンドリューの吐息がかかる。
くっ、エロ王子めっ!
最後までいたしはしていないが、あれこれされてきた私は反応してしまう。
やめてほしいのか次を期待しているのかわからない声が私の口から漏れ、とにかく手が早い王子が悪いのだとじろりと睨みつけた。
油断も隙もない相手である。
「アンディ!!」
「ティアの反応がたくさん見たい。完全補充させろ」
俺様エロ王子~。
完全補充って……。それって相手がどこまで望んでいるか、満タンの上限を知らないと恐ろしい言葉だ。
しかも、前世の乙女ゲームの情報が無駄にある私にとって、この状態の王子は俺様エロ王子にしか見えない。
「……何もこのような」
「別に話すだけでも楽しいが今回はお仕置きでもあるし、前回宣言していたしな。それに俺だけにしか見せない表情がたくさん見れるのがいい。俺のものってわかる」
不埒な手はそのまま動き、俺様発言の連発。
そして、それにきゅんとする自分も大概だ。
だって、俺だけにしか見せない表情と言っているけど、それは反対にアンドリューがこのような場で見せる表情は私だけのものということ。
好きな人に特別を独占できると喜びを語られて、抵抗する気持ちは薄れていく。
それでもいつまで経ってもエッチなことは慣れないし、「好きな女を前にして、二人きりで何もしないとか無理だろう」と攻められてどきどきする。
そのたびに、ふっと甘えるような吐息が漏れて、それを聞かれていることはとてつもなく恥ずかしい。
私の反応を見たアンドリューに「いい子だ」なんて褒められついつい雰囲気に流されかけたが、ふいに外の光が目について私は声を上げた。
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