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第46話 結婚して
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「ごめんなさいね、取り乱しちゃって」
泣きじゃくっていた綾乃だったが、ようやく落ち着きを取り戻したようだった。
行為が終わった後……、呆然としていた綾乃は、ポロポロと涙を零し始め、子供のように泣きじゃくった。
僕が慌てふためいていると、綾乃は『自分でもなんで泣いているか分からないから、暫く放っておい』と言った。
だから、僕はオロオロしながら、待っていたのだ。
「宮下さん、すみません、僕が上手くできなかったから……」
「違うのよ、最初だけ痛かったけど、森岡君は上手くやってくれたわ。
可笑しいでしょ、良い歳の女が処女喪失で泣くなんて」
僕には、綾乃がなぜ泣いたのか、分からなかった。少なくとも、痛いとか、そんな単純な事ではないだろう。
「自分でもビックリよ。あんなに感情が昂って抑えが効かなくなるなんて、記憶にないくらい」
僕には、かける言葉が見つからず、代わりに綾乃を引き寄せて抱きしめた。
綾乃も僕に抱きついてくる。
「今夜、一緒に居てくれる?」
「はい……」
「もう一つ……お願い。
私のパートナーになって」
(ええーー!! け、結婚を申し込まれた!?)
さすがに、動揺を隠しきれない。
「え……と、それって、け、結婚、ですか?」
僕の慌てぶりを見て、綾乃は目を丸くする。
暫く、ポカンとした表情だったが、何時ものキリリとした綾乃に戻ると、眉をひそめた。
「責任を取りなさい! 私の処女を奪ったんだから」
女性にとって処女喪失とは、そんなにも重要なイベントだったのか!? と思い知らされる。
綾乃のことは好きだし尊敬しているが、この場で結婚は決められない。
なにせ、僕はまだ学生で自活できていない。
しかし、責任は取らないといけない。逃げるなんて卑怯者のする事だ。
「わ、分かりました。でも、卒業するまで待ってください」
綾乃は、僕の答えに、また目を丸くする。
「ちゃんと就職したら、結婚します。なんなら、誓約書を書きます」
と、僕がそこまで言うと、綾乃はブーと噴き出して大笑いし始めた。
「み、宮下さん?」
「ご、ゴメンなさい 笑」
綾乃は、ヒーヒー言いながら笑っている。
「え……と、何か変でした? 僕の答え……」
それでも、笑いが治まらなかった綾乃だが、ようやく落ち着きを取り戻す。
「私、『結婚して』なんて言ってないわよ 笑」
「でも、パートナーって」
「パートナーよ、夫婦になるんじゃないわよ」
「どう違うんです?」
「結婚して、夫婦になって、子供を作って育てて……そんな生き方には、私、興味ないの」
「はあ……?」
「今まで、私は一人で仕事してきたわ。でも、そろそろ協力してくれる人が欲しかったの」
「仕事のパートナー、という事ですか?」
「仕事もだけど、身体と心も寄り添ってくれる人になって欲しいの」
僕は……、なんとなくだけど、結婚して、子供を作って、家族になって、年老いていく……、それが普通の生き方だと思っている。
綾乃の考え方が浸透しない。
「もちろん、森岡君に好きな人ができて、ん? もういるのかしら? いたとして……、
その人と恋愛するのは自由。もちろん、お給料も払うわ」
「だから、私を手伝って」
(これって、なんだか……)
「でも、たまに今夜みたいに抱いて欲しいの」
(愛人? みたいな……)
「ね」
僕は、女社長の愛人になる……のか?
「それから、二人でいる時は『綾乃』って呼んで」
「わ、分かりました」
「さっそく、呼んでみて」
「じ、じゃあ……、綾乃さん」
僕が名前を呼ぶと、綾乃は抱きついてきて身体をくねらせた。
そして僕の唇を塞ぐと、綾乃は甘えた声で言った。
「今度は、名前を呼びながら、して」
泣きじゃくっていた綾乃だったが、ようやく落ち着きを取り戻したようだった。
行為が終わった後……、呆然としていた綾乃は、ポロポロと涙を零し始め、子供のように泣きじゃくった。
僕が慌てふためいていると、綾乃は『自分でもなんで泣いているか分からないから、暫く放っておい』と言った。
だから、僕はオロオロしながら、待っていたのだ。
「宮下さん、すみません、僕が上手くできなかったから……」
「違うのよ、最初だけ痛かったけど、森岡君は上手くやってくれたわ。
可笑しいでしょ、良い歳の女が処女喪失で泣くなんて」
僕には、綾乃がなぜ泣いたのか、分からなかった。少なくとも、痛いとか、そんな単純な事ではないだろう。
「自分でもビックリよ。あんなに感情が昂って抑えが効かなくなるなんて、記憶にないくらい」
僕には、かける言葉が見つからず、代わりに綾乃を引き寄せて抱きしめた。
綾乃も僕に抱きついてくる。
「今夜、一緒に居てくれる?」
「はい……」
「もう一つ……お願い。
私のパートナーになって」
(ええーー!! け、結婚を申し込まれた!?)
さすがに、動揺を隠しきれない。
「え……と、それって、け、結婚、ですか?」
僕の慌てぶりを見て、綾乃は目を丸くする。
暫く、ポカンとした表情だったが、何時ものキリリとした綾乃に戻ると、眉をひそめた。
「責任を取りなさい! 私の処女を奪ったんだから」
女性にとって処女喪失とは、そんなにも重要なイベントだったのか!? と思い知らされる。
綾乃のことは好きだし尊敬しているが、この場で結婚は決められない。
なにせ、僕はまだ学生で自活できていない。
しかし、責任は取らないといけない。逃げるなんて卑怯者のする事だ。
「わ、分かりました。でも、卒業するまで待ってください」
綾乃は、僕の答えに、また目を丸くする。
「ちゃんと就職したら、結婚します。なんなら、誓約書を書きます」
と、僕がそこまで言うと、綾乃はブーと噴き出して大笑いし始めた。
「み、宮下さん?」
「ご、ゴメンなさい 笑」
綾乃は、ヒーヒー言いながら笑っている。
「え……と、何か変でした? 僕の答え……」
それでも、笑いが治まらなかった綾乃だが、ようやく落ち着きを取り戻す。
「私、『結婚して』なんて言ってないわよ 笑」
「でも、パートナーって」
「パートナーよ、夫婦になるんじゃないわよ」
「どう違うんです?」
「結婚して、夫婦になって、子供を作って育てて……そんな生き方には、私、興味ないの」
「はあ……?」
「今まで、私は一人で仕事してきたわ。でも、そろそろ協力してくれる人が欲しかったの」
「仕事のパートナー、という事ですか?」
「仕事もだけど、身体と心も寄り添ってくれる人になって欲しいの」
僕は……、なんとなくだけど、結婚して、子供を作って、家族になって、年老いていく……、それが普通の生き方だと思っている。
綾乃の考え方が浸透しない。
「もちろん、森岡君に好きな人ができて、ん? もういるのかしら? いたとして……、
その人と恋愛するのは自由。もちろん、お給料も払うわ」
「だから、私を手伝って」
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「でも、たまに今夜みたいに抱いて欲しいの」
(愛人? みたいな……)
「ね」
僕は、女社長の愛人になる……のか?
「それから、二人でいる時は『綾乃』って呼んで」
「わ、分かりました」
「さっそく、呼んでみて」
「じ、じゃあ……、綾乃さん」
僕が名前を呼ぶと、綾乃は抱きついてきて身体をくねらせた。
そして僕の唇を塞ぐと、綾乃は甘えた声で言った。
「今度は、名前を呼びながら、して」
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