別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる

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決断

聖女と会おう

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 マルクエンとラミッタが、幼女魔人スパチーを捕らえたその頃。王都に数台の馬車が向かう。

「王都は久々でさぁ」

 護衛として先導していたのは赤みがかった長めの銀髪と、褐色の肌を持つ女。

「リッチェ姉ぇ。無事に着いたね……」

 その女と対照的に髪は短めだが、それ以外は同じような見た目をしている女剣士。

 リッチェとケイはやっとの事で無事王都へたどり着く。

 馬車の荷台には戦いで傷を負った重傷者達がおり、その中にシヘンの姿もあった。

 リッチェが衛兵と話すと「お待ちしておりました」と、王都への入場を待つ行列とは別の、特別な入り口へ通される。

 そのまま、街の病院まで案内を受け、怪我人達が担架で次々中へと運ばれた。

「これで怪我人は全員ですかい?」

 どこかリッチェに似た話し方をする男が確認を取った。

「えぇ、そうでさぁ」

 リッチェがそう返すと、男はリッチェに話す。

「俺は聖女様の付き人みたいなモンなんですがね、聖女様はご多忙なのですが、もうちょっとしたら、いらっしゃいますんで」

 ケイには待っている時間がとてもとても長く感じられた。

 だが、遂にその時はやって来る。

 病室のドアが開くと、そこには長い金髪と透き通る肌の美女が居た。

 立派な青色のローブを身にまとって、顔つきは凛々しい。

「皆さん、お待たせした」

「こちらが聖女様です」

 もう聖女と呼ばれる事を咎めるのは諦めたスフィン。

「あの人が、スフィン将軍さん……」

 小声でケイは呟いた。

 まずは病室の入り口近くの、胸に大きな傷を負った冒険者の男へスフィンは近づく。

 その傷に触れると、水色の光が溢れ、みるみるうちに傷は塞がった。

「なるほど、こりゃ見事だ……」

 リッチェが思わず小さく声に出す。ケイもこの世の物とは思えない光景を黙って見ていた。

 次々と傷や失った体の部位を再生させるスフィン。

 そして、最後にようやくシヘンの番が来る。

 睡眠魔法で眠っている彼女の二の腕に触れると、そこから腕が、手が、再生を始めた。

 念のため後遺症は無いか確認するため、付き人の男が睡眠魔法を解く。

「シヘン!! シヘン!! 大丈夫か!?」

 半分寝ぼけていたシヘンだったが、自身の腕を見てハッとする。

「ここは……?」

「ここは王都だ!! 聖女様が治してくださったんだ!」

 そこでケイはスフィンを見ると、彼女は何か考え事をしている様子だ。
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