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水の神様

コスプレ

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「何か着替えはあるのかしら?」

「そこにクローゼットはあるみたいだが」

 二人はその中を開けてみる。

「えっ、なにこれは……」

 服は確かに沢山あった。

 だが、それが逆に問題だ。

「何だ、メイドさんの服に……。看護師の服?」

 様々な職業の服が置いてある。理由は分からない。

「どういう事なのかしら?」

「私にも分からん」

 マルクエンは珍しい服を手に取ってみる。説明書きも添えられていた。

「東の国の神官が着る服らしいぞ! 随分と派手だなぁ」

 白い上着と赤色のスカート。確かに派手だ。

「ちょっと待って! 何この服!! スケスケじゃない!!」

 着たら確実に肌が見えてしまう服もあった。

「一応普通のバスローブもあるみたいだが?」

「嫌よ!! 普通に持ってきた服を着るわよ!!」

 ラミッタは服を掴んで風呂場に消えて行ってしまう。

 マルクエンはソファに座ると、ウトウトと寝てしまった。



 風呂に入る前にシャワーを浴びるラミッタ。

 今日も濃い一日だったなと思い返しながら、汚れと疲れを洗い流す。

 泡だらけの風呂に意を決して入ってみた。シュワシュワと泡が消える感触が不思議だ。

「ふぅー……」

 心地よい温かさをラミッタは堪能していた。

 しばらくし、そろそろいい時間かと風呂を上がる。シャワーで泡を流し、いつもの服に着替える。

「宿敵ー、上がったわよ」

 返事は無い。部屋を見渡すと、ソファで寝てしまっているマルクエンが居た。

「宿敵?」

 近付いても起きる様子がない。無防備だなとラミッタは思う。

「起きなさい!!」

 揺さぶると、マルクエンは目を覚ました。

「あ、あぁ、寝てしまっていた」

「どうしたの? まだ調子でも悪いの?」

 そう言って覗き込むラミッタの、いつものツンツンとした態度とは逆の対応にマルクエンは驚く。

「なんだ、心配してくれているのか?」

 そう聞くと、風呂上がりで火照ほてっているラミッタは更に顔を赤くする。

「なっ、ちがっ、部屋で死なれたら嫌なだけ!!」

「そうか」

 フフッとマルクエンは笑って立ち上がる。

「それじゃ、私も風呂に入るかな」
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