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はじめての武器屋
はじめての武器屋 2
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「あのね、ムツヤの持っている道具の一つ一つはこの世界の理をひっくり返しかねないぐらいに強力なの。モモ…… でいいかしら? あなたもそれはわかるでしょう」
モモは頷いて村での出来事を思い出した。
飲んだだけで致命傷も完治してしまう薬など聞いたことも見たこともない。
「そしてそんな物を無名の冒険者志願が持ってきたら怪しまれると思わない?」
確かにとモモは思った。ムツヤの方は相変わらずピンときていないようでアホ面をしているが。
「どこかで盗んできたと怪しまれるだけならまだ良いわ。ムツヤは深く考えたことないでしょうけど、そのカバン自体もこの世界では貴重な…… それこそ夢のような道具なの」
「そうなんでずか!?」
「物がいくらでも入って劣化しないカバンなんて誰でも欲しがるでしょう? 悪人であれば所有者を殺してでも」
「目立つと盗賊のような連中にムツヤ殿が狙われると……」
モモが考えてそう言うとサズァンは口を閉じたままニヤリと笑う。
「惜しいわね、盗賊も面倒だけどそれ以上に厄介なのがいるわ。例えば身元も分からない、後ろ盾も無い人間が貴重なものを持っていたとして、大きな組織や国がそれを知ったら?」
モモはハッと何かに気付いたらしい、ムツヤは二人が何を言っているのかわからないまま少し眠気を覚える。
「ムツヤ殿のカバンを取り上げられるという事ですか?」
よく出来ましたとサズァンは拍手をするが、モモは今の今までその考えに至らなかった事を恥ずかしく思う。
自分でもムツヤの所有物の偉大さをいまいち理解していなかったらしい。
「もちろんこの世界の人間なんてムツヤの敵じゃないでしょうけど、盗賊や豪商の手先、そして国に狙われる旅をしたくなかったら、今のうちは人にそのカバンの事を言わないこと、カバンの能力もわからないように使うこと。約束できるかしらムツヤ?」
話を聞いていたのだか、いないのだか分からないが、ムツヤは我に返って威勢良く返事をした。
「後はその装備も人前ではダメよ、もちろん塔で拾った他の物も人前ではダメ。駆け出し冒険者がそんな剣と防具を持っているなんて目立っちゃうでしょ? 人前で使っていいのはその指輪だけ、じゃないとあなた文字読めないだろうし……」
「えー、駄目なんでずか?」
カッコイイ燃える剣と快適な鎧を着てはいけないと言われ不満の声を漏らすが、サズァンの言うことなので大人しく従うことに決めた。
「でもお金がないと当分の間大変でしょうし、塔の1階で拾えるモンスターを切っても何も起こらない剣あるでしょ? アレなら1本だけ売っていいわよ」
塔の1階で拾える剣と首を傾げながらムツヤはカバンから1本剣を取り出す。
それはモモが見ても業物だと分かるぐらいに立派な剣だった。
「そうそう、それそれ! でねー…… 親がいないムツヤに言わせるのもひどい話だけど、親の形見って言えば大概はどうにかなるからそう言って売ってきなさい」
「親の形見かー」と小声で呟いた後わかりましたとムツヤは返事をした。
隣で事情を聞いていたモモも少し酷なのではないかと思ったが、代案を思いつかなかったので黙っている。
「ごめんねームツヤ、寂しかったら私をお姉ちゃんかお母さんだと思って甘えて良いのよ? もう魔力が切れちゃうからまたね!」
そう言ってサズァンはムツヤを抱きしめた、抱きしめると言っても幻影なので感触は無い。
最後の邪神とは思えないような行動にモモは驚くが、そのままサズァンはスーッと消えていった。
ムツヤが「じいちゃん以外と話した事が無い」と言っていたので察しは付いていたが、こういう時になんと言えば良いのかモモは言葉に詰まってしまう。
ムツヤの顔からは笑顔が消えてしまって気まずい、何か間を持たせなくては。
「ムツヤ殿、実は私も5年前に母を病気で亡くしたのです」
言ってしまってハッと後悔した。元から居ない事と、小さい頃には親が居たことはまるで別の話だろう。
ムツヤは遠い目をしたままだ、やはり余計な一言を言ってしまったのだろうか。
「モモさん……」
「はい……」
モモは次のムツヤの言葉が怖くて、目を逸らして返事をしてしまう。
モモは頷いて村での出来事を思い出した。
飲んだだけで致命傷も完治してしまう薬など聞いたことも見たこともない。
「そしてそんな物を無名の冒険者志願が持ってきたら怪しまれると思わない?」
確かにとモモは思った。ムツヤの方は相変わらずピンときていないようでアホ面をしているが。
「どこかで盗んできたと怪しまれるだけならまだ良いわ。ムツヤは深く考えたことないでしょうけど、そのカバン自体もこの世界では貴重な…… それこそ夢のような道具なの」
「そうなんでずか!?」
「物がいくらでも入って劣化しないカバンなんて誰でも欲しがるでしょう? 悪人であれば所有者を殺してでも」
「目立つと盗賊のような連中にムツヤ殿が狙われると……」
モモが考えてそう言うとサズァンは口を閉じたままニヤリと笑う。
「惜しいわね、盗賊も面倒だけどそれ以上に厄介なのがいるわ。例えば身元も分からない、後ろ盾も無い人間が貴重なものを持っていたとして、大きな組織や国がそれを知ったら?」
モモはハッと何かに気付いたらしい、ムツヤは二人が何を言っているのかわからないまま少し眠気を覚える。
「ムツヤ殿のカバンを取り上げられるという事ですか?」
よく出来ましたとサズァンは拍手をするが、モモは今の今までその考えに至らなかった事を恥ずかしく思う。
自分でもムツヤの所有物の偉大さをいまいち理解していなかったらしい。
「もちろんこの世界の人間なんてムツヤの敵じゃないでしょうけど、盗賊や豪商の手先、そして国に狙われる旅をしたくなかったら、今のうちは人にそのカバンの事を言わないこと、カバンの能力もわからないように使うこと。約束できるかしらムツヤ?」
話を聞いていたのだか、いないのだか分からないが、ムツヤは我に返って威勢良く返事をした。
「後はその装備も人前ではダメよ、もちろん塔で拾った他の物も人前ではダメ。駆け出し冒険者がそんな剣と防具を持っているなんて目立っちゃうでしょ? 人前で使っていいのはその指輪だけ、じゃないとあなた文字読めないだろうし……」
「えー、駄目なんでずか?」
カッコイイ燃える剣と快適な鎧を着てはいけないと言われ不満の声を漏らすが、サズァンの言うことなので大人しく従うことに決めた。
「でもお金がないと当分の間大変でしょうし、塔の1階で拾えるモンスターを切っても何も起こらない剣あるでしょ? アレなら1本だけ売っていいわよ」
塔の1階で拾える剣と首を傾げながらムツヤはカバンから1本剣を取り出す。
それはモモが見ても業物だと分かるぐらいに立派な剣だった。
「そうそう、それそれ! でねー…… 親がいないムツヤに言わせるのもひどい話だけど、親の形見って言えば大概はどうにかなるからそう言って売ってきなさい」
「親の形見かー」と小声で呟いた後わかりましたとムツヤは返事をした。
隣で事情を聞いていたモモも少し酷なのではないかと思ったが、代案を思いつかなかったので黙っている。
「ごめんねームツヤ、寂しかったら私をお姉ちゃんかお母さんだと思って甘えて良いのよ? もう魔力が切れちゃうからまたね!」
そう言ってサズァンはムツヤを抱きしめた、抱きしめると言っても幻影なので感触は無い。
最後の邪神とは思えないような行動にモモは驚くが、そのままサズァンはスーッと消えていった。
ムツヤが「じいちゃん以外と話した事が無い」と言っていたので察しは付いていたが、こういう時になんと言えば良いのかモモは言葉に詰まってしまう。
ムツヤの顔からは笑顔が消えてしまって気まずい、何か間を持たせなくては。
「ムツヤ殿、実は私も5年前に母を病気で亡くしたのです」
言ってしまってハッと後悔した。元から居ない事と、小さい頃には親が居たことはまるで別の話だろう。
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「モモさん……」
「はい……」
モモは次のムツヤの言葉が怖くて、目を逸らして返事をしてしまう。
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