裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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蜘蛛と男

蜘蛛と男 3

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 しばらくすると、受付嬢と共に中年の男がやって来た。

「いやぁ、アシノ様とお連れの皆様。どうもお久しぶりです、冒険者ギルド、アサヒの支部長を務めさせて頂いています。ブーチョです」

 ブーチョと名乗る男はそう言ってアシノに握手を求める。

「お久しぶりです、ブーチョさん」

 アシノは握手をしながら言った。当たり前だが面識があるらしい。

「それで、どういった御用でこの村へいらしたのでしょうか?」

「いや、なんて事の無い旅の道中ですよ」

「そうですか、何かお力になれることがあったら何なりとお申し付け下さい」

 少し談笑をしてムツヤ達はギルドの支部を後にした。

「アシノさんが敬語を使っているところ初めて見ました」

 ふとムツヤが言うとルーはバカ笑いをする。

「私だって場に応じて敬語ぐらい使うわ!!」

 ルーの頭を引っ叩いてアシノは言った、この後は宿屋の予約を取らなくてはならない。

 少し歩くと宿屋に着いた、ドアを開けるとカラカラとドアチャイムの音がなる。

「いらっしゃいませー」

 スーナの街の宿屋のように老婆ではなく、若い娘が笑顔で出迎えてくれた。

「3人が泊まれる部屋を2つ頼みたい」

「かしこまりましたー!」

 娘はカウンターの下から鍵を取り出して、アシノに手渡す。

「当宿屋にはお風呂がありませんが、歩いてすぐの場所にアサヒの村名物の温泉がありますので是非そちらをご利用下さい!」

「温泉!? アシノ温泉だって!!」

 ルーがはしゃいで言うと娘は突然「あー!!!」と大声を出して驚いた。

「も、もしかして、失礼ですが勇者アシノ様ですか!?」

「え、あ、うん……」

 またアシノは照れながら返事をする。

「え、えーっと、そうだ、サイン下さい!! サイン!! 飾りたいので!!」

「いや、サインなんて……」

「ダメですか?」

 娘はいつの間にか取り出した色紙を両手で持ちアシノを見つめていた。
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