裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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決闘するなよ、俺以外のヤツと

決闘するなよ、俺以外のヤツと 8

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「ちょうど良かった。決闘で賭けるものを忘れていましたので」

 タノベは一歩前に出てすぅっと息を吸って一気に話した。

「ユモトさん! もし俺が勝ったら、明日1日デートして下さい!」

 ユモトは何のことか一瞬分かりたくなく、ポカンとしていたが徐々に顔が赤くなっていった。

「で、デートって! だから僕は」

 ルーは何かを言いかけたユモトの口を塞いでタノベと話す。

「ちょっーとユモトちゃんと相談させてもらって良いかしら?」

「わかりました」

 ムツヤ達はタノベから離れていったん闘技場を出てひと目のつかない所へ来た。

「ど、どうしよう…… あの人本当に勘違いしてる」

 ユモトは両手で顔を覆って言う、ルーとアシノは目で会話をし、ユモトに語りかけた。

「思うんだけどさー、これムツヤっちが負けてユモトちゃんが1日デートしてあげれば全てが丸く収まる気がするんだけど」

「そんなぁ!」

 ユモトは当然、抗議しようとする。ムツヤもルーの意見には反対だった。

「ユモトさんに迷惑は掛けられません、やっぱり俺が戦って勝つしか」

 そこまで言いかけた時に「まぁ待て」とアシノも説得を始めた。

「相手は決闘を申し込むぐらいだから多分そこそこ腕に自信があるみたいだ。体格を見ても強そうなのはわかる。そんな奴を無名のムツヤが倒しちまったら目立っちまうだろ?」

「で、ですが……」

 ユモトは半分泣きそうになっていた。モモは見ていられなくて視線をそらした。

「ムツヤっちが負けて、ユモトちゃんがデートして、こっぴどく振る。これでオールオッケーよ!」

「はーい、お待たせー」

 ルーはニコニコと笑ってタノベの元へと戻った。後ろではユモトが死んだ顔をしている。

「ユモトちゃんの了解は取ったから、あなたが勝ったら1日デートオッケーよ!」

 タノベは小さく手をぐっと握った。そしてアシノが言う。

「こっちが勝ったらとりあえず全財産置いてって貰おうか」

 山賊みたいな要求だったが、適当な理由で良かったのでとりあえず思いついたそれにしておいた。

「わかりました、それでは試合の時にまた会いましょう」

 そう言ってタノベは去っていく。ユモトは椅子に座って頭を抱えていた。

「どうしよう…… どうしよう……」

 ムツヤが負けることは確定している。つまり自分は男とデートをしなくてはならないのだ。

「ユモトさん…… すみません、俺のせいで……」

 ムツヤが申し訳無さそうな顔で頭を下げると、そちらを向いてユモトは首を振った。

「違います! ムツヤさんは悪くありません!」

「いーや、ハーレムハーレム騒いだコイツが悪いだろ」

 アシノに指摘されるとムツヤも落ち込んだ。試合の時間は近付いていく。
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