裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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災厄の壺

災厄の壺 11

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「これは分が悪いわね……」

 ヨーリィはウトナの周りをグルグルと回りながら木の杭を投げつけていた。

 防御壁で弾いてはいたが、直接来られたらまずいと考える。

 そんな時にヨーリィが防御壁を飛び越えてナイフで切りつけようとした。思わずウトナは手を前にしてガードをしようとすると、その手から杖を奪う。

「っく」

 ウトナは背を向けて逃げようとするがタタタタっと走ってきたルーがヨーリィから杖を受け取って振ってみる。

 杖から出た光線はウトナに命中し、その場に立ち尽くした。

「あら、私でも光線出せるのね。こりゃ良いわ。さて、オカマちゃんはどうなるかしら?」

「いやーん!!! 亜人ちゃんを従えてハーレム作りたい作りたいー!!!!」

 地面に倒れて駄々っ子のようになっているウトナ、無力化には成功したらしい。

「さて、ついでに他の人達にも使っちゃおうかしら」

 ルーはまだ戦う意志のあるキエーウのメンバーへ杖を振った。それぞれ駄々っ子のように地面に転がる。

 一応、拘束魔法で縛ってからアシノ達はムツヤの元へと急いだ。


 ――

 ――――

 ――――――――

「あっ、うぐっ」

 背中へと刀を突き立てられたムツヤは、そのまま地面に倒れる。

 刀が抜けた傷口から赤黒い血が溢れてきた。

「ムツヤ、お前には何の怨みも無いが、ここで死んでもらう」

 急いで回復薬を飲まなければとカバンに手を回し、取り出したが、ウートゴに蹴られてそれはどこかへと飛んでいく。

 痛みで呼吸が荒くなってきた、ムツヤは久しぶりに死の気配を感じていた。

 こんな状況、塔の中に居た時以来だろうか。

「じゃあな」

 ウートゴが刀を振り下ろそうとしたその瞬間、ムツヤの胸元のペンダントが紫色に光った。

 それと同時に刀は謎の力に弾かれて遠くへ飛んでいく。

 距離を取って何が起きたんだとウートゴはムツヤを見る。

 そこには女が立っていた。露出の多いドレスと褐色の肌。


(イラスト:しだれ彩先生)

「はじめまして、邪神サズァンよ」

「はは、そりゃどうも」

「あら、意外と混乱しないのね」

「そりゃ、こんなデタラメな裏の道具ばかり見てたらな」

 サズァンは険しい表情を崩さずにウートゴを睨みつけていた。

「本当はこういう事しちゃいけないんだけどね」

「だったら大人しくお引取り願えませんかね、邪神様っ!!」

 そう言ってサズァンに手裏剣を投げるも、圧倒的な魔力で軌道を捻じ曲げられてしまう。

「ムツヤ、早く薬を飲んで。私は長く持たないから」

 薄れゆく意識の中でムツヤはハッとし、カバンから回復薬を取り出して飲む。

「っく、神ともあろうお方が、随分人間1人を贔屓にしたもんだな」

 ウートゴに出来るのは悪態を付くことぐらいだ。目の前でムツヤを葬る千載一遇の好機を逃してしまった。

「ムツヤだから贔屓したってわけじゃないわ。ムツヤはこの世界の…… 最後の希望なのよ」

「亜人を滅ぼすだけで世界がどうなると?」

「黙れ下衆。そんなお前達のくだらない計画の話をしているわけではない」

 サズァンは普段見せない神の威厳を出してウートゴを罵る。

「サズァン様……」

 そんな中、ムツヤは傷が治り立ち上がっていた。
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