裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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チェイサー

チェイサー 1

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 ムツヤは魔剣『ムゲンジゴク』を携えて天高く飛び上がった。そのまま魔物の群れの中へ落ちていき、地面に剣を突き刺す。

 周辺に業火が巻き上がり、敵を瞬時に溶かす。敵がムツヤを囲むが、回転しながら次々に切り裂いていった。

「出ましたねぇ、青い鎧の冒険者」

 クスッとカミクガは笑って。直線上の敵を切り裂きながらムツヤの元に近付く。

 それはルー達にとって予想外の行動だった。適当に暴れさせて離脱させようとしていたが、このままではまずい。

 逃げろと言いたいが、この数相手にムツヤ無しでは厳しい。

 ルーは精霊を召喚しながら次の策を考える。

「ルー殿! このままでは……」

「分かってるわ、だけど今は目の前の敵に集中して! 大丈夫、ムツヤっちなら何とかしてくれるわ」

 カミクガは敵を切り裂いて、ついに青い鎧が少し見える場所までやってきた。

 ナイフに雷を込めて刀身を長くし、一気に目の前の敵を片付ける。するとはっきり目視が出来た。

「見付けましたよぉ、青い鎧の冒険者さん」

 だが、敵は止まってくれない。カミクガの後ろから魔物が襲いかかる。

 それを後ろ足で蹴り上げて消し炭にすると、青い鎧の冒険者と背中合わせになる。

「お話は後で聞かせてもらいますのでぇ、今は一緒に戦いましょ」

 ムツヤとカミクガは互いに目の前の敵を一掃していく。

 業火を上げて、電気を散らして、圧倒的な戦力だった。

「負けてらんないわね」

 ルーは精霊を召喚してくさび形に並ばせる。その後ろにモモが居て、精霊が討ち漏らした敵を切り捨てる。

 更に後方からはユモトの支援攻撃。ヨーリィは遊撃隊として接近戦や遠距離攻撃で数を減らす。

 しばらくすると周辺の魔物は殆ど殲滅し終わり、ルーが連絡石に向かって話しかけた。

「ムツヤっち、逃げて!!」

 兜の中に忍ばせた連絡石からその言葉が聞こえると、ムツヤは明後日の方向に走り出した。

「待ってくださーい、私とお話しましょう……よっ」

 そのムツヤを捕えるためにカミクガも走り出した。ムツヤの速度にピッタリとくっついている。

 ムツヤの走り方は砂埃を上げて力強い、彼女のそれは静かに迫る閃光だ。

「悪いようにはしませんよぉ、勇者サツキが話があるってだけですぅ」

 ムツヤは更に加速する。だがカミクガもそれに合わせて加速した。

 目にも留まらぬ鬼ごっこをルー達は見守ることしか出来なかった。
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