裏庭が裏ダンジョンでした@完結

まっど↑きみはる

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チェイサー

チェイサー 6

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「私達も負けてらんないわよー」

 ルーは精霊を大量に召喚して1個小隊を作る。その中にモモも紛れて魔物たちの背後を突いた。

 鋭い刃で次々と魔物を切り裂くモモ。精霊は腕を振り回して魔物をなぎ倒していく。

「氷よ降り注げ!!」

 ユモトは広い範囲に太い氷柱を飛ばして敵の数を削っていった。

 ヨーリィは散らばる敵を各個撃破し、確実に敵の数を減らす。

「流石はアシノ先輩の仲間。やりますね、私達も頑張りましょう!!」

 そうサツキは口に出したが、心の底では別のことを思っていた。

 勇者パーティにしては弱くないかと。

 確か、キエーウはアシノ先輩が殆ど1人で壊滅させたと聞いている。

 あの仲間達はサポート役だった。

 だが、それにしても、もう少し強くて良いのではないかと。

 召喚術師のルーさんと黒髪の少女は確かに強い。しかし、オークの少女と魔法使いの少女は良くて中級の冒険者程度の実力だ。

 そんな事を考えながら戦っていたが、街の外の魔物の群れはほぼ倒し終えた。後は空飛ぶコウモリの化け物だけだ。

「ムツヤ!! そっちの状況はどうだ!?」

「はい、外の魔物は皆さんが倒したみたいです。そしてこのコウモリも大体倒し終えまじだ!!」

「そうか、後は私が片付ける。今の内に引け!!」

「はい!!」

 アシノに言われ外壁に飛び乗ると、ムツヤはそのまま音もなく走り去る。

 城門から離れて戦うサツキ達はそれに気付くことが出来ず、青い鎧の冒険者を取り逃すことになった。

 サツキ達とルー達は街へと戻る。

「おつかれ、私もコウモリを倒し終えた所だ」

「流石はアシノ先輩!!」

 どさくさに紛れてサツキはまたアシノに抱きつこうとするが、軽く避けられる。

「青い鎧の冒険者はどうした?」

 アシノはしらばっくれて自分からその話題に触れた。するとサツキは浮かない顔をする。

「青い鎧の冒険者は見失いました」

「あの人、すっごく速かったですよぉー」

「そうか……」

 残念そうにアシノは振る舞う。

 街の中では戦いが終わった事を知らされた住民たちが勇者と兵士を歓声で出迎える。

「アシノ様、流石のご活躍でしたそうで」

 声がして振り返る。すると、そこには近衛兵長のカミトが居た。

「カミト殿、王の護衛はよろしいのですか?」

「他の者達に任せております。私は攻撃の通じぬ魔物への対抗策を調べておりました」

 能力のことを聞かれるのだろうなとアシノは覚悟をした。

「戦いの後お疲れの所申し訳ありませんが、あの魔物達について、また青い鎧の冒険者についてお話をお伺いしたいのですが」

「えぇ、わかりました」



 勇者アシノパーティと、勇者サツキパーティはまたも会議室へと通された。いつの間にかちゃっかり戻っていたムツヤも一緒だ。

「まずは改めて魔物から王都をお守り下さったことに感謝を申し上げます」

 カミトが深々と礼をするとアシノは小さく頷いた。

「それで、まずはあの攻撃の通じない魔物についてお伺いしたいのですが」

「はい、あの魔物は私の攻撃、または青い鎧の冒険者の攻撃しか通用しない様子でした」

 それを聞いてうーむとトマツリは唸る。

「そこが疑問なのです。何故アシノ様と例の冒険者の攻撃だけが通用するのかが」

「私の能力は『試練の塔』で授かったものです。もしかしたらあの冒険者も……」

 なるほど、とカミトは納得した。

「それならばあの者の強さにも納得がいきます」

「それでしたら、私も試練の塔へ挑みます!!」

 サツキは身を乗り出して言う。

「今、勇者様達に王都を空けて欲しくは無いのですが…… 対抗する手段がそれしか無いと言うのであれば仕方がありません」

「街には私が残りましょう。サツキには私の仲間達を案内役として付けます」

 アシノは思った。これで策は成ったと。
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