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サンライトレジェンド
サンライトレジェンド 4
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ニャンタイ山の入山には許可がいる。理由は2つ。
1つは宗教的な意味合いだ。ニャンタイ山には山岳信仰があり、神が住む山だとされている。
古くは地元の、更に選ばれた者しか登ることを許されていなかった。
今でこそ、観光客に開放されているが、それは冬の厳しい寒さで、人が住むには過酷なサンライト地方が金銭を得るための苦渋の決断だったらしい。
もう1つの理由は、単純に危険だからだ。
山道は険しいし、魔物も出るので、山に登りたいもの好きの観光客は、地元の冒険者を護衛に雇う。と言うより、案内人が居ないと入山の許可が下りない。
冒険者ギルドか、観光案内所で受付が出来るので、ムツヤ達は冒険者ギルドへ入山の申請を行うことにした。
勇者アシノのお出ましということがあり、またギルドマスター直々に理由を尋ねられる。
「魔人の残した武具がニャンタイ山付近に落ちている可能性があります。ので、入山の許可を頂きたいのですが」
「勿論、勇者アシノ様御一行でしたら許可は出します。ですが、その、差し出がましい考えかもしれませんが、山は案内人が居ないと危険かと……」
ギルドマスターの言うことは最もだったが、第三者に裏の道具やムツヤの事を知られるわけにはいかない。
「いえ、こちらには探知スキルの上級者が居ますし、私の能力は人を巻き込んでしまうかもしれません。それに、オオムカデと万が一戦いになった時に案内人の方を危険に晒しかねません」
「そうですか、アシノ様がそう仰るなら……」
「お気遣い感謝します。それでは明日の早朝に山に入りたいと思います」
そして、ニャンタイ山に登る日が来た。
「起きろお前らー」
女子部屋では日が昇ると同時にアシノが皆を起こす。
「おはようございますアシノ殿」
「おはようモモ、ルーお前も起きろ」
「やだ、だってこのお布団から出たらしばらくお布団に会えないのよ!? 辛い現実が待っているのよ!!」
「良いから起きろ」
アシノが布団を引っ剥がすと、全裸のルーがスッポーンと出てきた。
村の出口には村人や冒険者が見物人としてやって来ていた。アシノはまたかと頭を抱える。
ギルドマスターまで見送りに来ていたので「行ってまいります」と挨拶をして道を歩く。
「やー、荷物重いー暑いー」
「もう少し我慢しろ」
早速文句を言うルー。登山道入り口でカモフラージュ用に背負っていた旅の荷物をムツヤのカバンにしまった。
「重い荷物が無いのはマシだけど、登山はやーよー!!」
「うるさい、とっとと行くぞ」
20分程歩くと、熊のような魔物が現れた。咆哮をしてこちらにやって来る。ユモトはすくみ上がっていたが。
先頭を歩くムツヤが一瞬で距離を詰め、虫を払うように平手打ちすると、どこかへ吹き飛んでいった。
そんな調子で2時間歩き、やっとひらけた場所までたどり着く。
「この辺で休憩するか」
皆、その辺の岩に腰掛けて水を飲み、行動食の甘いクッキーを食べた。
そんな時だった、ムツヤがふと人の気配を感じる。
「誰か来ましたね」
アシノはユモトの探知盤を見た。だが、裏の道具の反応はまだ遠い。他の入山者だとは思うが、警戒をする。
歩いて出てきたのはエルフの男だった。ムツヤは覚えていないが、ユモトはあっと声を出す。
「あ、あなたは!! もしかして街で会った人?」
「やぁ、覚えておいてくれて嬉しいよ」
ムツヤとユモトがぼったくりの店に入りそうになったのを助けてくれたエルフだ。だが、アシノは何かに気付いてワインボトルを構える。
「お前ら!! 敵だっ!!」
一瞬、皆は何が起きているのか分からなかったが、アシノが言うので警戒をした。
「アシノ様も覚えていてくださったんですね」
「忘れるわけないだろう。こいつは元勇者『トチノハ』の仲間だよ」
「えっ? えぇ!?」
ユモトは驚いて声を上げるが、確かにアシノが攫われた時に見たような気もする。
「居るんだろ、トチノハ。出てこい」
アシノが言うと、トチノハと、モモの父であるネックが出てきた。
「っ!! 父上……」
ネックは何も言わずにモモを見る。アシノは問う。
「何の用だ。お前ら」
「俺達はキエーウの残党一派を追いかけていました。サンライトに逃げたって聞きましてね」
「キエーウの残党だと? ムツヤのカバンが狙いなんじゃないのか?」
アシノが聞くと、エルフの男、キヌが答えた。
「我々の望みは、亜人がこの国で正当な権利を得ること、不当な扱いを受けないことです。ムツヤくんのカバン、裏の道具もその手段の1つに過ぎませんでした」
「どういう事だ?」
「事情が変わったのですよ。魔人の残した武具。まぁ裏の道具がばら撒かれてしまった今、まずは、それをどうにかしないといけません」
アシノとキヌは会話を続ける。
「信じられんな」
「我々が裏の道具も持たずにこんな人気の無い場所に現れたことが証拠、と言う事にはなりませんか? 我々では束になってもムツヤくんに勝てない」
キヌの言うことは確かに一理あった。ムツヤには例え勇者が束になった所で勝てない。
「お前達が、少女にナイフを突き付けたことを私は忘れないぞ」
「確かに、少女の心に傷を負わせてしまったことは申し訳なく思います。だが、我々も必死でしたのでああするしか手がありませんでした」
「とにかくだ、お前達はお尋ね者だ。ここで捕らえさせてもらう」
アシノが言ったと同時だった。山から影が伸びてくる。最初は雲でも掛かったかと思ったが、やけに影が濃い。
その正体はオオムカデだった。
1つは宗教的な意味合いだ。ニャンタイ山には山岳信仰があり、神が住む山だとされている。
古くは地元の、更に選ばれた者しか登ることを許されていなかった。
今でこそ、観光客に開放されているが、それは冬の厳しい寒さで、人が住むには過酷なサンライト地方が金銭を得るための苦渋の決断だったらしい。
もう1つの理由は、単純に危険だからだ。
山道は険しいし、魔物も出るので、山に登りたいもの好きの観光客は、地元の冒険者を護衛に雇う。と言うより、案内人が居ないと入山の許可が下りない。
冒険者ギルドか、観光案内所で受付が出来るので、ムツヤ達は冒険者ギルドへ入山の申請を行うことにした。
勇者アシノのお出ましということがあり、またギルドマスター直々に理由を尋ねられる。
「魔人の残した武具がニャンタイ山付近に落ちている可能性があります。ので、入山の許可を頂きたいのですが」
「勿論、勇者アシノ様御一行でしたら許可は出します。ですが、その、差し出がましい考えかもしれませんが、山は案内人が居ないと危険かと……」
ギルドマスターの言うことは最もだったが、第三者に裏の道具やムツヤの事を知られるわけにはいかない。
「いえ、こちらには探知スキルの上級者が居ますし、私の能力は人を巻き込んでしまうかもしれません。それに、オオムカデと万が一戦いになった時に案内人の方を危険に晒しかねません」
「そうですか、アシノ様がそう仰るなら……」
「お気遣い感謝します。それでは明日の早朝に山に入りたいと思います」
そして、ニャンタイ山に登る日が来た。
「起きろお前らー」
女子部屋では日が昇ると同時にアシノが皆を起こす。
「おはようございますアシノ殿」
「おはようモモ、ルーお前も起きろ」
「やだ、だってこのお布団から出たらしばらくお布団に会えないのよ!? 辛い現実が待っているのよ!!」
「良いから起きろ」
アシノが布団を引っ剥がすと、全裸のルーがスッポーンと出てきた。
村の出口には村人や冒険者が見物人としてやって来ていた。アシノはまたかと頭を抱える。
ギルドマスターまで見送りに来ていたので「行ってまいります」と挨拶をして道を歩く。
「やー、荷物重いー暑いー」
「もう少し我慢しろ」
早速文句を言うルー。登山道入り口でカモフラージュ用に背負っていた旅の荷物をムツヤのカバンにしまった。
「重い荷物が無いのはマシだけど、登山はやーよー!!」
「うるさい、とっとと行くぞ」
20分程歩くと、熊のような魔物が現れた。咆哮をしてこちらにやって来る。ユモトはすくみ上がっていたが。
先頭を歩くムツヤが一瞬で距離を詰め、虫を払うように平手打ちすると、どこかへ吹き飛んでいった。
そんな調子で2時間歩き、やっとひらけた場所までたどり着く。
「この辺で休憩するか」
皆、その辺の岩に腰掛けて水を飲み、行動食の甘いクッキーを食べた。
そんな時だった、ムツヤがふと人の気配を感じる。
「誰か来ましたね」
アシノはユモトの探知盤を見た。だが、裏の道具の反応はまだ遠い。他の入山者だとは思うが、警戒をする。
歩いて出てきたのはエルフの男だった。ムツヤは覚えていないが、ユモトはあっと声を出す。
「あ、あなたは!! もしかして街で会った人?」
「やぁ、覚えておいてくれて嬉しいよ」
ムツヤとユモトがぼったくりの店に入りそうになったのを助けてくれたエルフだ。だが、アシノは何かに気付いてワインボトルを構える。
「お前ら!! 敵だっ!!」
一瞬、皆は何が起きているのか分からなかったが、アシノが言うので警戒をした。
「アシノ様も覚えていてくださったんですね」
「忘れるわけないだろう。こいつは元勇者『トチノハ』の仲間だよ」
「えっ? えぇ!?」
ユモトは驚いて声を上げるが、確かにアシノが攫われた時に見たような気もする。
「居るんだろ、トチノハ。出てこい」
アシノが言うと、トチノハと、モモの父であるネックが出てきた。
「っ!! 父上……」
ネックは何も言わずにモモを見る。アシノは問う。
「何の用だ。お前ら」
「俺達はキエーウの残党一派を追いかけていました。サンライトに逃げたって聞きましてね」
「キエーウの残党だと? ムツヤのカバンが狙いなんじゃないのか?」
アシノが聞くと、エルフの男、キヌが答えた。
「我々の望みは、亜人がこの国で正当な権利を得ること、不当な扱いを受けないことです。ムツヤくんのカバン、裏の道具もその手段の1つに過ぎませんでした」
「どういう事だ?」
「事情が変わったのですよ。魔人の残した武具。まぁ裏の道具がばら撒かれてしまった今、まずは、それをどうにかしないといけません」
アシノとキヌは会話を続ける。
「信じられんな」
「我々が裏の道具も持たずにこんな人気の無い場所に現れたことが証拠、と言う事にはなりませんか? 我々では束になってもムツヤくんに勝てない」
キヌの言うことは確かに一理あった。ムツヤには例え勇者が束になった所で勝てない。
「お前達が、少女にナイフを突き付けたことを私は忘れないぞ」
「確かに、少女の心に傷を負わせてしまったことは申し訳なく思います。だが、我々も必死でしたのでああするしか手がありませんでした」
「とにかくだ、お前達はお尋ね者だ。ここで捕らえさせてもらう」
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