転職先は、元ヤン社長の花嫁?

すいかちゃん

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第四話

初夜のやり直し

シャワーの音を聞きながら、優真はベッドの上で膝を抱えていた。これから、一樹と初夜をやり直す事になっている。これから、一樹に抱かれるのだと思うと足がガタガタ震えてきた。
(本当に、いいんだろうか)
一樹の事は好きだ。ずっと一緒にいたいと思っている。この気持ちは、好きという感情に違いない。だが、男同士のセックスで自分は何をすればいいのだろう。奉仕の仕方もわからないなんて、恥ずかしすぎる。
(嫌われる、かな)
つまらないと呆れられるだろうか。
今すぐ逃げ出したいという気持ちと、一樹を満足させたいという気持ちがゴチャゴチャになってきて優真はギュッと目を閉じた。
「優真?」
声をかけられ、優真はハッと顔を上げた。そこには、腰にバスタオルだけの一樹が立っていた。
「どうかしたのか?そんな泣きそうな顔して」
「あ、ううん。なんでも…」
ベッドに腰を下ろした一樹が、気遣わしげに頬を撫でてくれる。
「…したくないなら、無理すんな」
「違うよっ。そうじゃなくて、ただ…」
優真は、男同士のセックスに対する不安を伝えた。と、一樹が声を上げて笑う。
「わ、笑わないでよ。これでも真剣に…」
「わかってる」
一樹の腕が優真を抱き寄せた。水滴の残る裸の胸は、とてもたくましくて男らしい。優真の緊張が更に高まった。
「そんな事気にしなくていい。優真はただ目を閉じて、寝ているだけでいいんだ。俺が、全部する」
慰めるような優しいキスに、優真の緊張が解れてくる。
「1つだけ頼みがある」
「なに?」
「これからは、一樹って呼んでくれ」
深いキスに、優真は目を閉じた。のしかかってくる体重が、とても愛しいと感じる。バスローブがゆっくりと左右に開かれた。照明で明るい部屋の中で、優真は全裸をじっくりと見られた。
「下着、つけてないんだな」
「あ、あの。それは…」
「それでいい」
一樹がバスタオルを取った。自分と比べて、あまりにも大きなソコに優真は目を逸らした。一樹が穏やかだったのはここまでだ。貪るようにキスをされ、痛いぐらいに抱き締められた。
「あ…っ、そんなとこ、舐めないで…っ」
乳首を舌で舐められ、優真は慌てて一樹を押し退けようとした。その手を一樹が掴む。
「目を閉じてろ。すぐ終わる」
言われて優真が慌てて目を閉じれば、ねっとりとした感触が乳首を包んだ。一樹に舐められている。そう思うだけで、恥ずかしくてたまらない。と同時に、こんなに気持ちいいなんて知らなかった。
一樹が唇を離す度に、舌でなぶられた乳首がヒヤリとする。触られてもいないのに、先がビンビンに感じた。
「思った通り、遊んでないんだな」
一人言のような一樹の言葉に、優真は思わず聞き返そうとした。が、一樹の指に性器を弄られ思考が飛ぶ。いつの間にかソコは、かなり硬くしなっていたようだ。
「んぁっ、あっ、やっ」
先端をクリクリとされて、優真はシーツの上で悶え乱れた。普段から性欲は弱い方だというのに、一樹に触れられるだけで全身が気持ちいいと喜んでいる。だが、一樹に両足を抱え上げられた瞬間。優真は、恐怖に怯えた。
「やめ…っ、怖い…っ」
一樹がのしかかってくる姿に、リムジンでの行為が思い出される。自分の意思も無視して、無理やり身体を開かれた夜に戻った気がするのだ。
「わかった。この体位はやめておこう」
一樹がゆっくりと優真の上から退く。
「はぁ、あっ、あ…っ」
力が入らない身体を抱き上げられ、優真は一樹の膝に向かい合う形で座らされた。自然に開いた足の間に指を挿入され、優真は大いに慌てた。
「あっ、指を、抜いてっ」
3本の指が体内に潜り込み、バラバラに動く。
最初は気持ち悪かったその感触が、やがて快楽へと変わっていく。
「大丈夫だ。すぐに気持ちよくなる」
一樹の囁きと共に、指がある1ヵ所をコリッと弄る。その途端、不快感は快感へと変わった。
「あっ、あぁっ、そこ…、ダメッ」
「ダメじゃなくて、いいだろ?」
ズッと指が押し入られ、優真は声を上げ白濁を噴き上げた。
「そろそろいいか」
指を引き抜いた一樹は、優真の中へとゆっくりと自身を押し入れた。
「ひぁぅ、あっ、あっ」
膝を揺らしながら、一樹は優真の中へと全ておさめた。優真はとっさに一樹に抱きつき、息が整うまで待った。
「はぁ…っ、あ…っ」
自分の体重のせいで、一樹の性器を奥へと導いていく。優真は、一樹と繋がっているのだと強く感じた。
「一樹…、動いて、いいよ」
「優真」
優真は自分から一樹に唇を寄せた。
それが、一樹の気持ちへの答えだった。

身も心も結ばれる事が、こんなにも心を癒してくれるのだと一樹は初めて知った。優真の中から自身を出し、優真を抱き寄せる。
「僕、良かった?」
ぼんやりと優真が聞く。
「最高」
チュッとこめかみにキスをすれば、優真が目を閉じる。眠いのか、声がひどく緩慢だ。
「ずっと、嫌われてると思ってた…、だから、こんな日がくるなんて…思わなかった…」
「え?」
優真の言葉が気になったが、既に眠ってしまった。一樹は、優真を寝かせると眉を寄せた。
(確か、最初の時もそう言ってたな…)
なぜ優真は一樹に嫌われてるなんて思ったのだろう。一樹の記憶の中では、優真が急によそよそしくなったはずだ。嫌われてると思ったのは、むしろ一樹の方である。
一樹はスマホ片手にベランダに出た。
「藤堂か?俺だ」
電話の向こうで、何時だと思っているんだと藤堂が文句を言う。その文句を、一樹は右から左へと流した。
「あいつから何か言ってきたか?あぁ、そうか」
藤堂の言葉に、一樹は一瞬だけ眉を寄せた。一樹が優真を強引に自分のものにしたのも、妻として家に入れたのも、全てはこの男の存在があったからだ。
「ホテルに呼び出せ。色仕掛けを忘れるな」
一樹はスマホを切ると、眠る優真の元へ戻った。
「お前を傷つける奴は、俺が許さねぇ」
一樹は前髪を後ろに撫で上げた。もし、その表情を優真が見たら彼がヤンキーだった時と同じ顔をしている事に気がついただろう。

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