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第39話 超お金持ち学校の文化祭にゲスト参戦!ー1
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<三人称視点>
ここは美月たちが通う『私立金英高校』。
都内の一等地に豪華な建物をいくつも構え、芸能科や芸術科、ダンジョン科など華やかな学科を揃える、いわゆる日本一お金持ちの学校だ。
そして、今日は金英高校の文化祭。
日本一盛り上がる文化祭と言われるこの行事には、たくさんのメディアも集まっている。
「やってきました! 金英高校文化祭!」
「今年もすごい盛り上がりですねえ」
「今年は話題のペット配信者も来るとか!」
まだ開幕前だというのに、凄まじい賑わいようだ。
それは当然、生徒たちの方も。
「そろそろ作り始めよう!」
「材料足りないよ!」
「向こうのクラスには負けんなよ!」
入口から校舎までずらりと屋台が並び、開幕に向けて熱気はさらに増していく。
そして、体育館。
ここでは開幕セレモニーが行われている。
『続いては、歌手の「HIRUASOBI」さんです!』
「「「わああああっ!」」」
次々に登場する有名人達に、すでに高かったボルテージがまだまだ上がっていく。
『そして、狭瀬すずさん!』
「「「おお~!」」」
紹介されているのは、イベントやクラスに参戦するゲスト達。
某歌手から芸能人、大人気インフルエンサーまで、今を時めくたくさんの有名人がこの場で紹介される。
そんなところに元ブラック勤めの一般人、
「す~、は~」
低目野やすひろだ。
だが、一般人というのは先日までの話。
「みんな、準備はできてる?」
「ワフッ!」
「ニャフッ!」
「キュル!」
「プク!」
小犬のフクマロ、小猫のモンブラン、シマリスのココア、モモンガのタンポポ。
今や最強の四匹を連れた、ペット系配信者のトップインフルエンサーだ。
SNSのフォロワーは250万人、チャンネル登録者は200万人を超える。
その期待度から、ゲスト紹介の大トリを務める。
『そして、最後のゲストをご紹介します!』
司会の声が聞こえ、やすひろはタンポポに指示をする。
「今だ、覚醒!」
「プク~!」
フクマロ、モンブラン、ココアの三匹に闘争本能を刺激され、大きくなっていくタンポポ。
そして、みんなを載せられるだけのビックサイズに変身した。
『今や超インフルエンサーとなった、チャンネル「やすひろとモフモフ達」です!』
「行くぞ!」
バサっと黒幕が開き、その瞬間にタンポポが飛び立つ。
「プクー!」
「皆さんこんにちは~!」
大きな皮膜で滑空し、体育館に集まった生徒やメディア達の上を優雅に舞う。
制空権を持つタンポポ、その飼い主のやすひろにしか出来ない最高のパフォーマンスだ。
「「「きゃー!」」」
「「「すげえー!」」」
「「「本物だー!」」」
やすひろの登場に、体育館は今日一番の大歓声。
さらに、タンポポから三匹もひょっこりと顔を出した。
「ワフッ!」
「ムニャ~」
「キュールル!」
小さな体のままのフクマロ、モンブラン、ココアだ。
「フクマロくーん!」
「モンブランちゃん!」
「ココアちゃんきゃわ!!」
歓声はさらに大きくなり、やすひろ達に向けて一斉にシャッターが切られる。
メディアも高校生も、今日は全てSNSに上げる許可をもらっているからだ。
もちろん、出演者もそれを了承してここに来ている。
そうして、
「プクー!」
ぐるりと体育館を一周したタンポポが再びステージで着地。
やすひろにマイクが渡された。
「皆さん、改めてこんにちは。「やすひろとモフモフ達」というチャンネルで活動していている、やすひろです!」
「知ってるよー!」
「みんなお行儀良い!」
「ペット達かわ!」
普段はお上品な生徒たちだが、今日はノリが最高潮。
この盛り上がり方が、いかに大きな行事ごとかを連想させる。
「今日は桜井美月さんのクラス、三年A組の出し物に協力してます! 場所は食堂ですので、よろしければ!」
「「「わああああっ!」」」
やすひろの登場により、一気にボルテージが高まった金英高校文化祭。
ここで名乗りを上げれば今後メディアが放っておかない、と言われる程の行事で、やすひろはいきなり大歓声を浴びた。
しかし、
「何がやすひろだよ」
「くだらねえ、潰すか」
「それがいいな」
中には嫉妬の目を向けている者たちも──。
ここは美月たちが通う『私立金英高校』。
都内の一等地に豪華な建物をいくつも構え、芸能科や芸術科、ダンジョン科など華やかな学科を揃える、いわゆる日本一お金持ちの学校だ。
そして、今日は金英高校の文化祭。
日本一盛り上がる文化祭と言われるこの行事には、たくさんのメディアも集まっている。
「やってきました! 金英高校文化祭!」
「今年もすごい盛り上がりですねえ」
「今年は話題のペット配信者も来るとか!」
まだ開幕前だというのに、凄まじい賑わいようだ。
それは当然、生徒たちの方も。
「そろそろ作り始めよう!」
「材料足りないよ!」
「向こうのクラスには負けんなよ!」
入口から校舎までずらりと屋台が並び、開幕に向けて熱気はさらに増していく。
そして、体育館。
ここでは開幕セレモニーが行われている。
『続いては、歌手の「HIRUASOBI」さんです!』
「「「わああああっ!」」」
次々に登場する有名人達に、すでに高かったボルテージがまだまだ上がっていく。
『そして、狭瀬すずさん!』
「「「おお~!」」」
紹介されているのは、イベントやクラスに参戦するゲスト達。
某歌手から芸能人、大人気インフルエンサーまで、今を時めくたくさんの有名人がこの場で紹介される。
そんなところに元ブラック勤めの一般人、
「す~、は~」
低目野やすひろだ。
だが、一般人というのは先日までの話。
「みんな、準備はできてる?」
「ワフッ!」
「ニャフッ!」
「キュル!」
「プク!」
小犬のフクマロ、小猫のモンブラン、シマリスのココア、モモンガのタンポポ。
今や最強の四匹を連れた、ペット系配信者のトップインフルエンサーだ。
SNSのフォロワーは250万人、チャンネル登録者は200万人を超える。
その期待度から、ゲスト紹介の大トリを務める。
『そして、最後のゲストをご紹介します!』
司会の声が聞こえ、やすひろはタンポポに指示をする。
「今だ、覚醒!」
「プク~!」
フクマロ、モンブラン、ココアの三匹に闘争本能を刺激され、大きくなっていくタンポポ。
そして、みんなを載せられるだけのビックサイズに変身した。
『今や超インフルエンサーとなった、チャンネル「やすひろとモフモフ達」です!』
「行くぞ!」
バサっと黒幕が開き、その瞬間にタンポポが飛び立つ。
「プクー!」
「皆さんこんにちは~!」
大きな皮膜で滑空し、体育館に集まった生徒やメディア達の上を優雅に舞う。
制空権を持つタンポポ、その飼い主のやすひろにしか出来ない最高のパフォーマンスだ。
「「「きゃー!」」」
「「「すげえー!」」」
「「「本物だー!」」」
やすひろの登場に、体育館は今日一番の大歓声。
さらに、タンポポから三匹もひょっこりと顔を出した。
「ワフッ!」
「ムニャ~」
「キュールル!」
小さな体のままのフクマロ、モンブラン、ココアだ。
「フクマロくーん!」
「モンブランちゃん!」
「ココアちゃんきゃわ!!」
歓声はさらに大きくなり、やすひろ達に向けて一斉にシャッターが切られる。
メディアも高校生も、今日は全てSNSに上げる許可をもらっているからだ。
もちろん、出演者もそれを了承してここに来ている。
そうして、
「プクー!」
ぐるりと体育館を一周したタンポポが再びステージで着地。
やすひろにマイクが渡された。
「皆さん、改めてこんにちは。「やすひろとモフモフ達」というチャンネルで活動していている、やすひろです!」
「知ってるよー!」
「みんなお行儀良い!」
「ペット達かわ!」
普段はお上品な生徒たちだが、今日はノリが最高潮。
この盛り上がり方が、いかに大きな行事ごとかを連想させる。
「今日は桜井美月さんのクラス、三年A組の出し物に協力してます! 場所は食堂ですので、よろしければ!」
「「「わああああっ!」」」
やすひろの登場により、一気にボルテージが高まった金英高校文化祭。
ここで名乗りを上げれば今後メディアが放っておかない、と言われる程の行事で、やすひろはいきなり大歓声を浴びた。
しかし、
「何がやすひろだよ」
「くだらねえ、潰すか」
「それがいいな」
中には嫉妬の目を向けている者たちも──。
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