魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

文字の大きさ
15 / 71

第15話 セレティアとレイル

しおりを挟む
<三人称視点>

 その夜、近くの洞窟にて。

「姫様、お召し物をお預かりします」
「ええ、ありがとう」

 赤髪の騎士レイルは、セレティアの服を脱がしていく。
 日中の戦闘により、汗や血がついてしまっているからだ。
 それから、レイルは再度周りをきょろきょろとした。

「……私も裸になって大丈夫だろうか」
「大丈夫だよ。護衛もアケア様も紳士よ」
「そうですね」

 二人が湯浴ゆあみをするということで、男達は外で見張りをしている。
 すでにアケアを信頼しているレイルも、着ている装備を全て脱いだ。

「それで、本当に君に頼めるのか? 温かいお湯を」
「ぽよ~っ!」

 レイルが話しかけたのは、手に乗せているスライムだ。
 彼女の質問に、スライムは魔法で応える。
 口からぴゅーっと温水を生み出したのだ。

「わあ、温かい……」
「これも魔法の効果か。まったく、少年には頭が上がらないな」
「ぽよよっ!」

 水魔法と火魔法の応用だろう。
 川などでは身が冷えるため、アケアが提案したのだろう。
 また、念話はできないが、正確にコミュニケーションを取るスライムにも驚いているみたいだ。

 そうして、シャワーのように温水を浴びながら、二人は安心して会話を始めた。

「それにしても……驚きでしたね、まさか森にあのような少年がいるとは」
「ええ。正直もうダメかと思いました」
「すみません、騎士である私がいながら」
「もう、そうは言ってないでしょ。みんなが助かったから、それでいいの」

 レイルに対しては、セレティアの口調も砕けている。
 幼少の頃より騎士として傍にいたため、セレティアにとっては姉のような存在なのだろう。
 
 だからこそ、レイルにしか言えないこともある。

「アケア様であれば、本当にお母様を治してしまうかも」
「はい。プレッシャーになるので少年には言っていませんが、私も密かに期待をしております」
「やはりレイルもだったのね」
「彼には不思議な魅力がありますからね」

 すでにセレティアは、アケアにただならぬ感情を抱いていた。
 魔法うんぬんだけでなく、優しさなどの人格も備わっているからだ。

 そして、そのことをレイルも見抜いている。

「お母様の病気が治れば、いよいよ姫様も行動に移せますね」
「行動?」
「はい。アケア様にご感心があるのでしょう」
「……! レ、レイルっ!」

 少しいじわるなレイルの言い方に、セレティアは顔を真っ赤にする。

「身分こそありませんが、あれほどの存在ならばお父様もきっと喜ばれるかと」
「だ、だから~!」
「はは、動揺が隠せておりませんよ」
「もうレイルのいじわるぅ」

 仲良さげな会話と共に、お互いの汗を流し終える。
 それから、レイルはすっと立ち上がった時だった。

「ではそろそろ服を……ん?」
「ぽよっ!」」

 服を着ようとしたところで、スライムが訴えかけてくる。
 自身の体をくねくねさせ、何かをアピールしているようだ。

「まさか、自分を使ってくれと?」
「ぽよ!」
「……ふむ」

 確かにスライムの感触は気持ち良かった。
 ボディスポンジのような用途も出来るだろう。
 だが、未知のものをいきなりセレティアに使わせるわけにもいかない。

「ならば、まず私から試させてもらうぞ」
「ぽよ~っ!」

 許可を得たスライムは、途端に姿を変えた。
 薄く広く伸び、レイルの体全体に張り付いたのだ。
 その瞬間、レイルはびくんっと声を上げる。

「は、はぅあっ!?」
「レイル!?」

 そして、スライムは思う存分レイルの体を洗い始める。

「ぽよよよ~っ!」
「ふ、ふわああああああ!」

 レイルはスライムに為されるがままだ。
 体の自由を奪われ、顔を紅潮させている。

「ま、待て! タイムだ、タイム!」
「ぽよよ~!」
「はうっ! ま、待てと言ってるだろおおお!」

 だが、レイルの呼び掛けにも応じず、スライムは彼女の体を洗い続ける。
 レイルの尋常ではない姿に、セレティアも困惑するばかりだ。

「レ、レイル! 一体どうしたっていうの!」
「ひ、姫様は近づいてはなりません! ひゃうっ!」
「レイル!?」

 そうして、スライムにうねうねされること数分。
 ようやく洗い流しが終わった。

「……ハァ、ハァ、ハァ」
「レイル、大丈夫!? 何か心地よい顔をしているけれど!」

 レイルは息を切らし、疲れから四つん這いになっている。
 だが、決して苦しそうでない。
 むしろ何かを終えたように気持ちよさそうだ。

 その様子に、セレティアは心配しつつも若干興味を持っている。
 しかし、レイルは許可を出さなかった。
 
「姫様、これはいけません。姫様にはまだ早すぎます」
「どういう意味よ!?」
「と、とにかくダメです。これを許可した暁には、お父上に何と言われるか……」
「お父様に? わ、訳が分からないわ……」

 とにもかくにも、セレティアは許可をもらえなかった。
 それでも、二人は森の疲れを癒すことができただろう。



 一方その頃、見張りをしているアケア。
 だが、彼にはスライムから絶えず念話が飛んできていた。

『ねえねえ、レイルの体はねー』
(バカバカ! それを聞いちゃまずいよ! てか、変なことしてないよね!?)
『ううん、ぼくはただ出来ることをやろうと……』
(なんか怪しい!?)

 そして、必死に念話から気を逸らすアケアであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

処理中です...