魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第27話 秘密の調査

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 「着いたぞ」

 森林の入口に着き、シルシアが口を開いた。
 
 予備試験の次の日。
 シルリアが直接ギルドから受けたという秘密調査を手伝うため、本試験という名目でアケアは彼女に同行していた。

「ここが“エスガルド森林”だ」
「おお~」

 案内されたのは、エスガルドの東に位置する森林。
 エスガルドが所有権を持つため、名前もそのまんまのようだ。

「優しい色をしているね」
「ああ、一部の安全地帯は観光スポットとしても有名だぞ」

 エスガルド森林は、全体的に黄緑色をしている。
 鬱蒼うっそうとした感じはなく、穏やかに見えるようだ。

「では、早速行くぞ」
「うん!」

 そうして、二人はエスガルド森林へと足を踏み入れる。

 


「魔境の森とは、また違った雰囲気だね」

 少し歩く中、アケアが口を開いた。
 森に入ってみて改めて感じたようだ。

「ああ。魔境の森とは近いが、場所も明確に分かれているからな」
「そうなの?」

 アケアの故郷は西、エスガルドは東に位置する、お隣同士の国だ。
 その二国の北に広がるのが、魔境の森である。

 そして、エスガルド森林は、エスガルドのさらに東に広がっている。
 魔境の森とエスガルド森林は、大きな川が境界線になっているという。

「エスガルドの冒険者の多くは、魔物の討伐や採取など、ほとんどの活動をここでこなしているんだ」
「ふむふむ」
「そんな場所が“魔境の森”のようだと、我々は廃業になってしまうな」

 二つの森では、魔物のレベルも全然違うようだ。
 そのため、エスガルドの冒険者も多くいるという。

 だが、アケアはふと気づくことがある。

「それにしては、冒険者さんをあまり見なかったような」
「ああ、その原因が今回の調査にも関係しているかもしれないんだ」

 すると、シルリアは詳細を話した。

「最近、森の魔物が異様に強くなっているという噂があってな」
「え、急に?」
「ああ、それも原因すら分かっていない。だが、まだ真偽は実証されていなくてな。冒険者の多くはパーティー再編成や、様子見をしているようだ」

 その噂がどちらにしろ、冒険者としては動きにくい。
 今の状況はギルドにも不利益なため、公認冒険者のシルリアに依頼したようだ。

「じゃあ僕たちは真偽を調査するんだね」
「そうだ。話が早くて助かる」

 内容をまとめたところで、シルリアは再度確認した。

「それで、そちらの様子はどうだ」
「今は特に問題ないよ。ね、スライムたち」
『『『うんー!』』』

 アケアはスライムたちを動員させて、周辺の警戒をしている。
 にわかには信じがたい話だったが、シルリアは信頼することにした。
 しかし、時は突然やってくる。

『あ、こっちに魔物発見!』
「……! わかった!」

 念話が入ってきたのを確認し、シルリアにも伝える。

「時計の1時方向より魔物!」
「了解。ここまで何メートルだ?」
「大体1キロ!」
「よし、わかった──って、1キロぉ!?」

 だが、それを聞いたシルシアがずっこける。
 声も裏返り、落ち着いた彼女にしては珍しい行動だ。

「う、うん」
「アケアの警戒範囲はどうなっているんだ?」
「最大は大体3キロぐらいかな」
「バカな」

 逆に冷静さを失い、視線をちらりとアケアの肩に向ける。

「それもみんな、スライム達にさせていると?」
「そうだよ」
「ぷよっ!」
 
 シルリアは頭を抱えながらつぶやく。

「これがテイマーか……ワタシの認識を改めなければな」
「そう? あ、スライムが倒したって」
「バカな」

 自分の出番の無さに、もはや笑うしかなかった。
 だが、続けて入った別方向の念話は真剣に受け止める。

『アケア、アケアー!』
「どうしたの?」
『なんか黒くて変な魔物がいるー!』
「黒くて変な魔物……?」

 アケアの言葉を聞き、シルシアが口を挟む。

「アケア、その子には倒さないよう言ってくれ。ワタシたちも向かおう」
「了解!」

 冒険者の勘が何かを感じ取ったのかもしれない。
 二人はすぐさまその方向へ向かった。
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