魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第60話 スライムドーム

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「【スライムドーム】!」

 アケアは結集させた約1000匹のスライムに指示を出す。
 
 全方位からハーティを囲うように。
 強すぎる自分の攻撃・・・・・・・・・が周りに被害を与えないように。

『うおー!』
『いけいけー!』
『囲め囲めー!』

 すると、スライム達はにょーんと体を伸ばし、両隣とおててをつないでいく。
 徐々に角度をつけ、ハーティを囲む球体になるように。
 だが、ハーティも黙って見ているわけではない。

「なんなのよこれは! ──【冥界球ハデス・ボール】!」
『『『効かないもんねー!』』』
「……!?」

 しかし、ハーティの魔法はスライム達に広がるようにさんした。
 衝撃を横へ横へ受け流すことで、全員で威力を軽減したのだ。
 強力な【覚醒・魔女】の魔法も、1000匹で受け流せば、1匹の負担は1000分の1となる。

 そうして、戸惑っている隙に【スライムドーム】は完成した。

『『『ででーん!』』』
「……!」

 その光景には、ハーティですら息を呑む。
 上下左右、360度、視界の全てにスライムがいるのだ。
 それぞれが魔法を操るとなると、脅威どころの騒ぎではない。

 そして、もちろん前方にはそれをつかさどるアケアだ。

「もう逃げられないよ」
「ええ、そのようね……!」

 ハーティに焦りの表情が見られる。
 アケアとハーティの形成は、一気に逆転した──。





 アケアとハーティが戦っている頃。
 市街地付近にて。

「クォォォォォォォン!」
「ギャウウウウウウウ!」

 巨大化して真の姿を見せた、シロロンとドラン。
 二匹が相対あいたいするのは、しくも先祖同士が争い合っていた古代の魔物“ビーストデーモン”だ。

「グルオオオオオオオ!」

 そんな中、もう一人変化があった者がいた。
 シロロンとドランの陰に立つフィルである。

「こ、これは……!」

 シロロンはフィルがテイムしている魔物だ。
 ならば、真の力を発揮したシロロンの能力はフィルにも還元される。

ーーーーー
フィル
MP     :10000/10000
ギフト:中級テイマー(1)
スキル:【テイム】【中距離テイム】【従魔強化】【従魔解除リリース】
魔法 :風魔法(←New!) 強化魔法(←New!) 古代魔法(←New!) 
ーーーーー

「これがフェンリル! これがシロロンの力……!」

 元々260が上限だったMPは、爆上がりして10000に。
 他にも三種の魔法を覚えている。
 中でも古代魔法は、古代の血を受け継ぐ者にしか扱えない失われた魔法である。

「これなら……!」

 なぜ子犬の状態で還元されないかは調べる必要がある。
 だが、とにかく言えることは一つ。
 今のフィル達は──強い。

「いこう! シロロン! ドラン!」
「クォォォン!」
「ギャオオオ!」

 ビーストデーモンに対し、三人はそれぞれ分かれて向かっていく。
 先頭を切ったのは、神速のシロロンだ。

「クォォン!」
「グルオ!?」

 シロロンは自らが風になったような速さで飛び回り、竜巻を起こす。
 すると、ビーストデーモンをおおう黒いオーラは吹き飛んでいく。
 あとは、超火力をぶっ放すのみ。
 
「はあああ!」
「ギャオオ!」

 力を溜めていたドランは、全力の火を吹く。
 そこにフィルの古代魔法で援護を加えた。

「【爆竜息吹ファイアブレス・バースト】……!」

 古代魔法は謎多き魔法だ。
 だが今回は、古代の全盛期のドラゴンを思わせるような超火力を引き出した。
 その威力には、ビーストデーモンも耐えることができない。

「グルオ、オオオ……」

 最後にフラフラと抵抗するも、力が絶え前方に倒れる。
 無我夢中だったフィルだが、そこでようやく実感が湧いた。

「勝った……勝ったんだ!」
「クォン!」
「ギャオ!」

 すると、周りの冒険者たちはわっと集まってくる。

「「「うおおおおおおおおおお!」」」

 半ば諦めかけていた場面だったのだ。
 そこをフィルが救ったのとなれば、褒め称えるしかない。

「すごいぞフィルちゃん!」
「よくやってくれた!」
「ありがとう、本当にありがとう!」

 対して、フィルは照れながらもまず二匹を褒めた。

「いえ、私なんて。本当にすごいのはこの子たちです。ねっ?」
「クォン!」
「ギャウ!」
「あ、あれ!?」

 だが、勇ましかった姿はみるみるうちに小さくなっていく。
 
「くぉ~ん」
「ぎゃう~」
「あら可愛い」

 すると、いつもの足元サイズに戻った。
 それでも、二匹が街を救ったのは事実だ。

「ありがとうね」

 ならば、後は信じるのみ。
 フィルはふとフォーロス屋敷の方を振り返った。

「お願い。アケア君」
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