人が怪物化する世界だとしても、この少女だけは守りたい

ソエイム・チョーク

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03 長い夜の始まり

18 破滅の時

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 ミーナは夜の学園を歩いていた。

 昼間とは違って寒々しい空気。
 夜に宿舎を出て歩いたことはなかった。
 人がいなくなると、校舎はこんなにも寂しくなる。

 今は避難命令が出ていて、人が出払っているというのもあるだろうけど。

 暗い校舎の中、ポツポツと光りを灯すのは、非常口を示す緑色の表示だけだ。
 そのほかに、一か所だけ明かりがついている部屋があった。
 職員室だ。

 他の部屋は、きちんと消灯されているのだから、灯りを消し忘れた、ということは考えにくい。

 ミーナの探している人間が、ここにいるという根拠はなかった。
 常識で考えれば、まず校内にいるのがありえない。
 それなのにミーナは、なぜか、彼女はここで自分を待っているだろうという確信を持っていた。

 扉に耳を当てると、何か声が聞こえる。

「違うのです。私は裏切るとか、私物化するとか、そんな気持ちはありませんでした」

『……』

「本当ですよ。ただ、あなたの手間を省いてあげようと思っただけです」

 誰かが電話をしているようだ。
 怒られて言い訳をしている、そんな感じだった。

「だって、そうでしょう? 遅かれ早かれ、使う事になったんですから。追い詰められてから慌てて苗床を用意するより、余裕があるうちに作っておく方が賢いって物ですよ」

『……』

「今はペトスコスヒッグスの話をしているんです。ICBMの話はしていません」

『……』

「い、いえ。別にことを大きくしようなんて、思っていませんでしたよ。けど、仕方ないでしょ? あなたと連絡は取れないし、軍の捜査網は狭まってくるし、今動かなければ全滅していましたよ。あなたも、私も……」

『……』

「そんな言い方はしないでください。私を切り捨てようとしていたんですか?」

『……』

「だから、それは違うんですよ。結局のところ、あなたはいつでも好きな時に私に連絡できたわけで……あっ、ちょっと?」

 通話を一方的に切られたらしい。
 だが、部屋に入るのに、今よりもいいタイミングがあるとは思わなかった。
 ミーアは決心を固めると、深呼吸して扉を開く。

 職員室。PCが置かれた机が並ぶ中、椅子に座っている一人の女性がいた。
 シスター・エルミーヌだ。驚いた顔でミーナの方を見ていたが、穏やかにほほ笑む。

「どうしたのですか? こんな時間に」

「シスターは、避難しないのですか?」

 ミーナは世間話のように話しかける。

「少しやることがありましたからね。電話をかけるとか」

「スマホでしょう? 電話なんて職員室じゃなくてもかけられますよ」

「それが、先方がなぜかここを指定して……いえ、違いますね。会わせてやりたいやつ、でしたか。なるほど」

 シスターは微笑む。

「どうやら、私は、あなたを待っていたようですね」

 ミーナは頷く。
 誰かが、たぶんエルミーヌの電話の相手が、この対面をセッティングしたようだ。

 電話の相手が誰なのかも気になったけど、ミーナが話をつけなければ相手は、目の前のエルミーヌだ。

「シスターは私が怖くないのですか?」

「ええ。生徒を恐れていたら、学校なんかで働けませんから」

「昼間に、保健室の前の廊下で何があったか知っていても、ですか?」

「私はその場にはいませんでしたよ」

「シスターは、全部、見ていたでしょう? 時計塔から」

「……」

「私は怖いです」

 ミーナは言う。

「銃で生徒を撃っておきながら、そんな平然とした顔をしていられるあなたが、怖いです」

「……」

 エルミーヌは首をかしげる。

「犯人は目だし帽で顔を隠していたのでは?」

「それを知っているのは、犯人とごく一部の人だけだと思うんですけど?」

「そうですね。でも、今のは失言と言うほどではないし、仮に失言だったとしても指摘しなくていいですよ。本題をどうぞ」

 ミーナは頷いて続ける。

「人間がダイル化して、ダイルデサントやセベクノートになる。これはもはや常識ですよね」

「最近はそうですね」

「ダイル化には段階がある。これは知っていますか?」

「その話の、どの部分が重要なんですか?」

「……この件に詳しい人に教えてもらいました。私の背中は、数日前から、素人目にもわかるような異変が起こっていたらしいです。後ろだったんで、私には見えなかったんですけど」

「異変ですか?」

「仮に、ダイル化について知らなくても……、いえ、知らないならなおさら、話題にしなければおかしいような、明らかな異変です」

 あの動く変な模様を見て、異常と思わない人間がいるわけがない。

 仮に「最近の若者はこんなファッションを?」などとありえない勘違いをしたとしても、無反応はおかしい。
 だって、動いているのに触れることができないのだ。
 物理的にあり得ない現象だと、誰でも理解できる。

「シスターは保健室で私の背中を拭いてくれましたね。今日の昼間のことです。私が奇跡を使ってしまう直前ですよ。その時、私の背中はどうなっていました?」

「さあ?」

「とぼけないでください!」

 ミーナが声を荒らげると、エルミーヌはすねたような顔になる。

「あの時は飲み込む用意ができていなかったので」

「え?」

 よくわからない事を言われる。

「いいですよ。私の負けを認めましょう。あなたの想像の通りです」

「認めるんですか?」

「否定したら、それを信じますか?」

 信じるわけがなかった。
 エルミーヌが犯人だ。それは間違いない。

「どうして、私を狙ったんですか?」

「別に、あなた一人を狙ったわけではありませんけどね……」

「一人じゃない?」

 ふと、ジゼラから聞いた話を思い出す。

「まさか! 入院した生徒が何人もいるって言うのは……」

「あら? 病院から行方不明になった生徒、ではなくですか?」

「……っ!」

 行方不明、とは言葉の綾だ。
 要するに病院から誘拐したのだ。

「その人たちは、どこにいるんですか? いえ、生きていますか?」

「……生きていますよ。私の中で」

 エルミーヌは微笑む。

 殺して食ったと言っているに等しい。
 ミーナは、一人でここに来たことを後悔した。

「なんで、そんな恐ろしいことをしたのですか?」

「選別の時が迫っているのですよ」

「は?」

「増えすぎた人類は、やがて土地を追われ、一人残らず死ぬ。そういう予定なのです」

「何を言っているのですか?」

「終末の黙示録は知っていますね?」

「え? ええと……それは、まあ……」

 一応、ここはキリスト教系の学園なので、聖書を教科書とした講義も受けている。
 しかし、どうして急にそんな話を始めるのか。

「世界の歴史が終わる時、無数の天使が降臨し、大地に災厄を撒く。悪しき者は選別され、正しい魂だけが天国に導かれる。審判の時。それが今なのです」

「今そんな話はしていないんですけど……」

「わからないのですか? 天使は予言の通りにやって来たのです。ただし解釈を違えていたことが一つ。天使は、空から、遠くから来るのではなく、人間の内側から現れるのです」

「だから、あの……」

「天使によって、人類の全てが破壊される。それが神の意志なのです。なぜ誰もわからないのか……」

 エルミーヌは嘆かわしいと頭を振る。
 ミーナにとっては意味不明だった。
 そもそもの前提から理解できない。

「ええと……つまり、あなたは……ダイル災害を、天使だと言っているのですか?」

「そうですが?」

「ダイルデサントとか、セベクノートとかが天使なんですか? あの、気持ち悪い怪物が?」

「外見だけで否定的な判断を下すのは、良くないでしょう。神や天使が人間と同じ形をしていると考えるのは、傲慢なのでは?」

「……」

「そもそも、多少の誤謬は仕方ないのです。聖書にはイナゴの群れだとか、わけのわからないことが書かれていますからね。それよりは、いくらか超常的なのでは?」

 何もかも滅茶苦茶だった。

 ミーナがかろうじて思い出したのは、以前、校長のガスパル神父が語っていたことだ。
 安易に終末論を語る者は、悪魔の遣いだ、とかなんとか。

 その理屈に従うなら、エルミーヌは悪魔の遣いと言うことになる。
 特に否定できる要素も見当たらない。

 ミーナは、混乱しながらも、どうにか話を取り戻そうとする。
 エルミーヌの動機を聞き出そうとしたのが間違いだった。
 もはや人間に理解できる物ではない。
 エルミーヌは悪魔に魂を売った。あるいは悪魔そのものになった。
 今はそれで十分だ。

 それよりも、聞かなければならないことがある。

「あ、あなたは……生徒を騙して、人が怪物になる薬を飲ませるのが、神の意志だと言うんですか!?」

「いかにも」

 ミーナに理解できたのは、絶対に理解できそうにないということだけだった。
 話がかみ合わなすぎる。他のことを質問した方がよさそうだ。

「……私には、どうやって薬を飲ませたんですか?」

「実は、それだけがよくわからないのです。あなたの友人に、リーゼルという子がいたでしょう? 本当はあの子がダイル化すると思っていたのですが」

「リーゼルが?」

「ええ。二週間ほど前に、彼女に頭痛薬をあげて、そのうちの一錠がペトスコスヒッグスだったのです。あなたはそれを飲んだのでしょうけど……何か心当たりは?」

「その頃に、頭痛薬をわけてもらいました……」

「なるほど……あなたも、運のない人です。まあ、恨むなら自分の友人を恨みなさい」

 ミーナは拳を握り締める。

「リーゼルは悪くない。悪いのは、あなたです!」

「あら? まあ、そう思いたいならご自由にどうぞ」

「絶対に……絶対に、あなたを許さない!」

「あはははははははははははは! いいですねぇ、その顔!」

 エルミーヌは狂ったように笑いだす。
 狂気に、ミーナは気圧される。

「真相を教えると、みんな、最初はそんな顔になるんですよ! そして私に敵わないと知って焦り、逃げ出そうとして、最終的に絶望しながら死んでいく!」

「何がおかしいんですか!」

「バカみたいだからですよ。絶望の仕方も人それぞれですからね。あなたはどんな風に絶望するのか、今から楽しみでしかたない……」

「私がダイル化したら、まず最初に、あなたを殺します」

 ミーナの殺害予告にもエルミーヌは動揺を見せなかった。
 ニヤニヤと変な笑いを浮かべるだけだ。
 自信があるのだろう。
 きっと、何人もの相手から殺害予告され、その全てを返り討ちにしてきたのだから。

「それで? 一人で何しに来たんですか?」

「私は一人じゃありません。この職員室は、既に包囲されています」

 はったりだった。だが、こう言うしかない。
 エルミーヌは、ミーナの後ろを覗き込むように首を伸ばす。
 ミーナの見間違いでなければ、本当に十センチぐらい伸びた。

「誰もいませんよ? というか、私に事実確認をするために、あなたを前面に出したりしないのでは?」

「ほ、本当です!」

「本当に軍が来ていたとしても、今から私を捕まえることなど不可能ですよ。ほら」

 シスターは立ち上がると、ミーナに背を向けて壁の方に歩いていく。

 隣の部屋に何か秘密があるのかと思った。
 違った。
 床が揺れはじめた。
 地震ではない。ここはメガフロート、海の上だ。
 しかし小刻みの上下振動。これは海の波ではない。
 何かが足元で壊れていく時の、それでいて落下するわけではない、地震特有の揺れ方だ。

「何? これは何ですか、シスター!」

「私が攻撃手段に銃を選んだのには、もう一つ理由があるんですよ。それが私の用意できる最大の攻撃方法だと思い込ませるためです」

「えっ?」

「私がダイル化したら、ですって? 笑えますね。どうして自分が先手を取れると思っているのですか」

「あっ! そんな……」

 ミーナは全てを理解した。
 シスター・エルミーヌはとっくの昔に人間をやめていたのだ。

 反射的にポケットのスマホに手を伸ばす。
 誰でもいい、何かを知らせないといけない。

 だが、出てきたスマホはミーナの物ではなかった。
 フーベルトが使っていた物だ。二つスマホを持っていたような気もするが、私用と仕事用で使いわけているのだろうか?
 しかも起動しない。電源ボタンを長押ししても何の反応もない。

「なんで……電池が切れてるの?」

 振動がさらに大きくなる。床が傾き、天井板が降り注いでくる。

 一つが頭に当たり、ミーナは意識を失った。

〇〇〇

 ブルガダ寄宿学園。
 十六番街の中央に建つ、生徒数およそ五百人の教育施設。
 その学園の校舎はこの時点で半壊し、残った部分や周辺の建物も致命的なダメージを受けたと推定される。
 結果的に、学園は閉鎖につながった。

 そしてこの事件以後、メガフロートの管理基準は、大きく変更されることになる。

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