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meishino

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19 キルディアのおねだり

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 その後、ビデオ通話でチェイス皇帝とヴァルガ騎士団長の二人に事の経緯を話した。二人は驚いた顔を暫く続けていたが、全てを話し終えると協力してくれると言ってくれた。


 セレスティウムのレシピがあれば、あとはケイト先生やタージュ博士が成分の解析をしてくれる。そしてそれを量産させる権利を帝国研究所とソーライ研究所が取得する。


 帝国研究所は結構漁夫の利だけど、ジェーンやチェイスの予想だと、このソーライ研究所の設備だけでは生産が難しいかもしれないらしい。


 更に、セクターは言ってしまえば帝国研究所にある。だから帝国研究所にも権利を与えるべきだということになった。しかしこれらはすべてヴァレンタイン教官が本当に私に特許を譲ってくれた場合だ。


 もし特許も譲ってくれなくて、レシピも秘密で、セレスティウムもくれなかったら……私はナイトアームを復活させないといけないかもしれない。出来れば彼女とは戦いたくはないけど。


 私は、ソファでウォッフォンのホログラムのキーボードを使いピッピと打ち込んでいるジェーンを見た。


 リンはというと、今日は大学の同期の飲み会がクラブであるらしく、それに参加している。明日も仕事なのに、オール明けでそのまま職場に行くらしい……とても元気な人だ。


 因みに今夜のジェーンは水色のパジャマ姿だった。私もソファの上に体育座りをしていて、身体ごと彼の方を向くと、足の先で、ジェーンの腕をツンツンと突いた。


「何でしょう?」


 機嫌悪っ……。そうなのだ、彼は帰ってから、ちっとも笑ってくれない。しかし頼むしかない。私はわざと彼にぴったりくっついて座り直して、彼の肩にもたれかかった。


「ねえジェーン、お願いが「ああ成程、却下します。」


 そんなに食い気味に言わなくてもいいのに。食い気味すぎて、ひとかけらも伝えられなかった……。ならばと、私は彼の肩にちゅっとキスをした。彼がちょっとビクッと動いた。


「お願いジェーン。光の大剣を復活させて?」


「……大馬鹿者。どう考えても、許可出来ません。帝都の病院で、あなたはもう二度と戦えないと言われたのを忘れましたか?私はチェイスとの合同プロジェクトの設計をしなければなりませんから、あなたは先に寝ていてください。」


「でも……」


 私はジェーンに抱きついて、首にキスをした。彼はまたビクッとした。こうなりゃ彼を誘惑しまくってやる。まるで娼婦のように、私はおねだり声を出した。


「光の大剣が欲しいの……お願い、ナイトアームのパス解除して?」


「キルディア、」


「ん?」


 彼が何だか、頬を赤くしている。しかもホログラムを見つめたまま。


「……そんなに欲しいのなら、別のを差し上げましょうか?とても熱くて、太いものです。」


「大馬鹿者。もういいよ。」


 ふーん、じゃあいいよ。しかも別のって、どういうすり替えだよ……とつい彼のアレを脳内に思い描いてしまった。いやいやいや、何を考えてるんだ。私は邪念を振り払うようにソファから降りて寝室へと向かった。


 ドアを閉めて、ベッドに飛び込むように転がった。まあジェーンの気持ちも分かる。もうこの体では二度と戦えない、彼は心配しているのだ。


 だからきっとセレスティウムを取りに行くことに反対していたんだ。行くとなれば、私がセクターに乗り込むことを彼は知っていたから。


 教官か、本当は生きていたんだ。どうしてセクターから出られないんだろう。謎だけど、行けば全て分かるか。


 今回の調査は、私とクラースさん、それからルーと、ヴァルガで行く予定だ。本当は三人で行く予定だったけど、何故かジェーンが、ヴァルガも参加するように促したのだ。


 ヴァルガは「まあ、帝国民の為だ、俺も人肌脱ぎたい」と、快く参加表明をしてくれた。まだ行く日は決まっていないが、近々その日は来るだろう。


 出来ればそれまでに光の大剣を取り戻したい。でもそれを復活させるにはジェーンのパスワードが必要だ。


 やっぱり、もっと可愛くおねだりしたら聞くかな。でもさっきの様子だと効いてなさそうだったなぁ……。


 一番まずいシチュエーションは光の大剣無しでヴァレンタイン教官と戦うことになる場合だ。そんなことになったら、私は多分すぐ死ぬだろうね、はは。


 チェイスとヴァルガが我々がセクターに行くまでは内密にしてくれているから外部にはまだ漏れていないけど、皆でセクターに行ったら教官は怒るかな?


 でもメールで詳細を伝えないで、ミステリアスな感じにしている彼女にだって、罪はあるのだ。


 そう思うことにして、私は電気を消した。布団に潜って、髪ゴムを外した。彼の枕が隣にある。


 ちょっと匂いを嗅いだ。いい匂いがして、くらっとした。もうだめだ、寝よう。もうこれ以上変態になりたく無い。私は目を閉じた。



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