33 / 83
32 私の愛する人
しおりを挟む
奴が皇帝でないのなら、私はとっくに奴を始末していた。人間、誰しも完璧ではない。
民からの人望が厚い人間でも、蓋を開けてみれば、他人の恋仲を何がなんでも手に入れようとする、色恋に強欲な人間だ。
キルディアがとても強い人間で良かった。今の出来事は焦燥を募らせたが、彼女がうまく対処してくれた。もうそろそろ窓から脱出した彼女が中庭に来るだろう。しかし私にはまだ、この城でやるべきことがある。
以前よりある計画を練っていたのだ。私はウォッフォンで彼女に先にホテルへ帰るように伝えて、再び城の中へと入った。
行き先はヴァルガの元だ。私を見つけた騎士が私に「何用か?」と聞いた。私は素直に「ヴァルガにもう一度会いたい。」と願った。騎士は私を連れて、そこに向かい歩き始めた。
彼の執務室は二階にあった。先程皆で話し合った部屋だ。騎士によって開かれたドアの先には、ヴァルガがいた。机でPCを操作しながら、私をチラリと見た。
「ああ?ジェーンか……。なんだ今は、一人なのか?ギルはどうした?」
「彼女は先にホテルへと戻っております。あなたに一つ聞いていただきたい話がありまして、私一人で、こちらまで参りました。可能であれば二人きりで。」
ヴァルガは一瞬目を丸くした。彼に元々備わっている目つきの鋭さが、ネビリスに酷似していた。
彼は私の背後にいた騎士に目配せをすると、騎士がこの部屋を出る時にドアを閉めてくれた。私は一歩、彼の方へと近づいた。彼はPCを閉じて、疑わしげに私を見た。
「それで?俺にしたい話ってなんだ?ギルとの惚気話なら、聞く気はないぞ。そう言う話なら、俺じゃなくてもっと、クラースにでもしてやればいい。」
「そうですか……まあ、似たようなものです。私の中で、彼女がどれほど大事なのか、それを是非、あなたにお話ししたい。」
「え?本当に惚気話をしにきたのか……?じゃあ手短にな。」
ヴァルガは鼻でため息をついた。椅子に深く座る彼を見つめて、私は口を開いた。
「私について、あなたはどれほど理解しておりますか?私は過去の世界から来た。そして私は孤独だった。今まで、ずっと一人で生きてきた。」
「んー……、」とヴァルガが心臓を隠すように手を組んだ。「記事は読んださ。お前さんが過去から来たのも知ってる。しかも二千年前。あの火山測定装置を作ったのも知ってる。でも孤独の部分は知らないな、どの記事にも、そんな文章は無かったよ。ジェーンの人生そのものは、俺は理解していない。それで?」
「なら、今から説明します。私は生まれた時から、去年の半ばまで感情がありませんでした。生きていて、一度も嬉しいなどと感じたことはなかった。」
「ん?一度もか?過去の世界で、時空間歪曲機が完成した時は、大いに喜んだんじゃないのか?」
「何故、当たり前のことを喜ぶのです?あなたは呼吸が出来て、嬉しいと感じますか?」
ヴァルガは「んー」と唸って、黙ってしまった。
「……私には感情が無かった。幼き頃から勉学が出来ても、それは当たり前だった。他人にどう思われようが、関心が無かった。命の重みを理解していなかった。時空間歪曲機の実験では、多数の動物の命を、犠牲にした。心が痛むことはなかった。カタリーナとの結婚は、組織の利益に着目したものだった。感情のない私が、愛情など持ち得ることはない、彼女は特別な存在ではなかった。ある出来事があり、私の研究は私の為にあると証明しなくてはならなくなった。だから試作段階の時空間歪曲機に乗った。死ぬつもりでした。」
ヴァルガが目を見開いた。
「ジェーン、死ぬつもりだったって……最初の時空間歪曲機は、まだ試作だったのか?馬鹿なことを。」
「ええ、その通りです。しかし私は生き残った。この世界に来たことは奇跡で、ギルドでキルディアを見かけたのも、奇跡です。彼女に協力を依頼して、私は……様々な困難を乗り越えました。彼女と。」
「そうか。」
「私にとって、彼女は光です。この世に存在する、たった一つの光です。私に感情を与え、さらには愛情までこの胸に、芽生えさせてくれた。かけがえのない存在、これほどまでに私が他者を慈しむことなど、想像もしなかったことです。」
「そう、なんだな……そりゃ、ギルバートは大事ってことだな。それは理解したよジェーン。だから何が言いたい?」
私は真っ直ぐにヴァルガを見つめた。彼は懐疑的な表情で、私をじっと見つめている。私は聞いた。
「あなたには、恋人がいますか?」
「……いる。騎士に就任して少し経った時に、関係を開始した。」
「名前は?」
「何故だ?」
ヴァルガが目を細めて私を見た。私は答えた。
「実は、聞かずとも理解しております。彼女の名は、ステイシー・マックス・ブラウンですね?帝都の図書館で司書の職に就いており、彼女の家は、サウスブリリアント通りにあります。」
ヴァルガが急に立ち上がり、私の目の前へとずかずか近づいてきた。私は先程と表情を変えなかった。至近距離で睨む彼は、私に苛ついた声で聞いた。
「どうしてそこまで調べている?何が言いたい?ジェーン、この問いの答えによっては、お前に明るい未来はないぞ。」
「私の要望は至ってシンプルだ。明日のセレスティウム作戦の際、あなたにはキルディアの盾となってもらう必要がある。」
「それが狙いか?」
「違いありません。だから私は、この作戦にあなたを呼んだのです。」
ヴァルガの戸惑う瞳と目が合っている。彼はゴクリと喉を鳴らしてから、私に聞いた。
「ギルはそれを望んでいるか?俺が不必要に庇えば、奴は不審がる。それに彼女は強い、俺に庇ってもらわずとも戦える。」
「キルディアが望んでいることではありません、これは私の望みですから。帝都、そしてネビリスとの戦いにより、彼女の体は破壊し尽くされた。生きているのが奇跡だと医師から言われた。更に彼女は、仲間の盾となる傾向がある。今回の盾は、彼女ではない。明確に、あなただ。ステイシーが司書を続けるには、今回の作戦からキルディアを必ず帰還させることが必須だ。出来なければ、分かりますね?」
「それは脅しというものだ。俺に脅しをかけるか?」
「脅しではありません。条件交換です。あなたがキルディアを守り、私はステイシーを守る。互いに大切な存在がいる。その人を守ろうとして、何が罪ですか?それに今のキルディアは民間人です。騎士であるあなたが身を張って庇うことは普通です。私は至極まともな話をしているだけではありませんか。」
ヴァルガはお手上げポーズをして、私から遠ざかった。
「ジェーン……ギルを大切に思う気持ちはわかるが、少々暴走しすぎではないか?俺は確かにギルを守る義務がある。実際、俺がギルよりも弱いから、お前を不安にさせているのは分かったよ。だが、奴には光の大剣があるし、セクターで戦いがあるって決まった訳でもないし。なあ、今回のステイシーのことは、黙っておく。あまり変な気を起こさないでくれ。」
「実は、帝都の戦いの後に、光の大剣を封じました。」
「え……!?」
「その後で彼女の要望があり、復活させた……と見せかけて、実は復活させておりません。光の大剣ではなく、光の盾です。私とチェイスの技術がそこに密集している。二人の合同プロジェクトで制作したものです。チェイスの方は、まさかキルディアのナイトアームに使われるものだとは、存じていないと思いますが。」
「ジェーン、隠れてそんなことをしてたら、ギルが怒るぞ。ヴァレンタイン教官も、どういうスタンスで来るのか知らんが、ギルを狙っている可能性が高いし、戦闘になった時に、手の先から出たのが盾だったら……彼女はなんと思う?お前にひどく失望するのでは?」
「たとえ失望したとしても、私は彼女が無事に戻ってくれさえすればいいのです。そして万が一、彼女が戻ってこなかった場合は……。」
「俺の責任だから、ステイシーを司書から引き摺り下ろすのか?」
「それで済むとお考えですか?私は元々、感情の死んだ人間でした。過去の世界では、ノアズの副所長だった。ただ研究をしているだけで、その座につけるものではない。権力のあるものは、どこか冷酷でなければならない。私は犯罪を起こしませんよ、あなたが条件を満たしてくれるのなら。」
ヴァルガは困った様子で、ため息をついた。
「……なあジェーン、全く、普通にギルを守れって言ってくれないか?まるでこれが本気みたいじゃないか。」
「まだ私が本気でないと?時空間歪曲機のミッションが終了したので、プログラムに時間を割くことの出来た結果、こういうことができるようになりました。遠隔で、彼女のウォッフォンの電力を暴走させます。高出力の電流が放たれるでしょうが、それでも足りないのなら彼女が自宅に戻ってきた際に、部屋の全ての電灯、風呂場の電気も同時にオーバークラッシュさせます。電流で満たされた部屋で生命活動を維持出来る者はいないはずだ。その後は、あなたの仕事になるでしょう。もう既にプログラム済みですから、もしこの場であなたが私に手を出せば、直ちにそれが実行されます。何も簡単なことです、あなたがキルディアを守ってくれさえすれば、それらは全て、起こりません。」
「ジェーン……お前は、本当に、恐ろしい男だ。」
私の趣旨を漸く理解したのか、ヴァルガが私を睨み、腕を組んで、またため息を放った。
「意味を理解して頂けたでしょうか?ヴァルガ。それとこの件は他言しないこと。もしその気配があり、キルディアの様子が違った時は、条件は満たされないものと判断します。」
「あ、ああ。分かったよ……頼むから、ステイシーに変なことをするなよ?」
「それはあなた次第です。」
私は一礼をしてから、執務室を出た。ドアを閉める瞬間に、苦虫を噛んだようなヴァルガの瞳と目が合った。
民からの人望が厚い人間でも、蓋を開けてみれば、他人の恋仲を何がなんでも手に入れようとする、色恋に強欲な人間だ。
キルディアがとても強い人間で良かった。今の出来事は焦燥を募らせたが、彼女がうまく対処してくれた。もうそろそろ窓から脱出した彼女が中庭に来るだろう。しかし私にはまだ、この城でやるべきことがある。
以前よりある計画を練っていたのだ。私はウォッフォンで彼女に先にホテルへ帰るように伝えて、再び城の中へと入った。
行き先はヴァルガの元だ。私を見つけた騎士が私に「何用か?」と聞いた。私は素直に「ヴァルガにもう一度会いたい。」と願った。騎士は私を連れて、そこに向かい歩き始めた。
彼の執務室は二階にあった。先程皆で話し合った部屋だ。騎士によって開かれたドアの先には、ヴァルガがいた。机でPCを操作しながら、私をチラリと見た。
「ああ?ジェーンか……。なんだ今は、一人なのか?ギルはどうした?」
「彼女は先にホテルへと戻っております。あなたに一つ聞いていただきたい話がありまして、私一人で、こちらまで参りました。可能であれば二人きりで。」
ヴァルガは一瞬目を丸くした。彼に元々備わっている目つきの鋭さが、ネビリスに酷似していた。
彼は私の背後にいた騎士に目配せをすると、騎士がこの部屋を出る時にドアを閉めてくれた。私は一歩、彼の方へと近づいた。彼はPCを閉じて、疑わしげに私を見た。
「それで?俺にしたい話ってなんだ?ギルとの惚気話なら、聞く気はないぞ。そう言う話なら、俺じゃなくてもっと、クラースにでもしてやればいい。」
「そうですか……まあ、似たようなものです。私の中で、彼女がどれほど大事なのか、それを是非、あなたにお話ししたい。」
「え?本当に惚気話をしにきたのか……?じゃあ手短にな。」
ヴァルガは鼻でため息をついた。椅子に深く座る彼を見つめて、私は口を開いた。
「私について、あなたはどれほど理解しておりますか?私は過去の世界から来た。そして私は孤独だった。今まで、ずっと一人で生きてきた。」
「んー……、」とヴァルガが心臓を隠すように手を組んだ。「記事は読んださ。お前さんが過去から来たのも知ってる。しかも二千年前。あの火山測定装置を作ったのも知ってる。でも孤独の部分は知らないな、どの記事にも、そんな文章は無かったよ。ジェーンの人生そのものは、俺は理解していない。それで?」
「なら、今から説明します。私は生まれた時から、去年の半ばまで感情がありませんでした。生きていて、一度も嬉しいなどと感じたことはなかった。」
「ん?一度もか?過去の世界で、時空間歪曲機が完成した時は、大いに喜んだんじゃないのか?」
「何故、当たり前のことを喜ぶのです?あなたは呼吸が出来て、嬉しいと感じますか?」
ヴァルガは「んー」と唸って、黙ってしまった。
「……私には感情が無かった。幼き頃から勉学が出来ても、それは当たり前だった。他人にどう思われようが、関心が無かった。命の重みを理解していなかった。時空間歪曲機の実験では、多数の動物の命を、犠牲にした。心が痛むことはなかった。カタリーナとの結婚は、組織の利益に着目したものだった。感情のない私が、愛情など持ち得ることはない、彼女は特別な存在ではなかった。ある出来事があり、私の研究は私の為にあると証明しなくてはならなくなった。だから試作段階の時空間歪曲機に乗った。死ぬつもりでした。」
ヴァルガが目を見開いた。
「ジェーン、死ぬつもりだったって……最初の時空間歪曲機は、まだ試作だったのか?馬鹿なことを。」
「ええ、その通りです。しかし私は生き残った。この世界に来たことは奇跡で、ギルドでキルディアを見かけたのも、奇跡です。彼女に協力を依頼して、私は……様々な困難を乗り越えました。彼女と。」
「そうか。」
「私にとって、彼女は光です。この世に存在する、たった一つの光です。私に感情を与え、さらには愛情までこの胸に、芽生えさせてくれた。かけがえのない存在、これほどまでに私が他者を慈しむことなど、想像もしなかったことです。」
「そう、なんだな……そりゃ、ギルバートは大事ってことだな。それは理解したよジェーン。だから何が言いたい?」
私は真っ直ぐにヴァルガを見つめた。彼は懐疑的な表情で、私をじっと見つめている。私は聞いた。
「あなたには、恋人がいますか?」
「……いる。騎士に就任して少し経った時に、関係を開始した。」
「名前は?」
「何故だ?」
ヴァルガが目を細めて私を見た。私は答えた。
「実は、聞かずとも理解しております。彼女の名は、ステイシー・マックス・ブラウンですね?帝都の図書館で司書の職に就いており、彼女の家は、サウスブリリアント通りにあります。」
ヴァルガが急に立ち上がり、私の目の前へとずかずか近づいてきた。私は先程と表情を変えなかった。至近距離で睨む彼は、私に苛ついた声で聞いた。
「どうしてそこまで調べている?何が言いたい?ジェーン、この問いの答えによっては、お前に明るい未来はないぞ。」
「私の要望は至ってシンプルだ。明日のセレスティウム作戦の際、あなたにはキルディアの盾となってもらう必要がある。」
「それが狙いか?」
「違いありません。だから私は、この作戦にあなたを呼んだのです。」
ヴァルガの戸惑う瞳と目が合っている。彼はゴクリと喉を鳴らしてから、私に聞いた。
「ギルはそれを望んでいるか?俺が不必要に庇えば、奴は不審がる。それに彼女は強い、俺に庇ってもらわずとも戦える。」
「キルディアが望んでいることではありません、これは私の望みですから。帝都、そしてネビリスとの戦いにより、彼女の体は破壊し尽くされた。生きているのが奇跡だと医師から言われた。更に彼女は、仲間の盾となる傾向がある。今回の盾は、彼女ではない。明確に、あなただ。ステイシーが司書を続けるには、今回の作戦からキルディアを必ず帰還させることが必須だ。出来なければ、分かりますね?」
「それは脅しというものだ。俺に脅しをかけるか?」
「脅しではありません。条件交換です。あなたがキルディアを守り、私はステイシーを守る。互いに大切な存在がいる。その人を守ろうとして、何が罪ですか?それに今のキルディアは民間人です。騎士であるあなたが身を張って庇うことは普通です。私は至極まともな話をしているだけではありませんか。」
ヴァルガはお手上げポーズをして、私から遠ざかった。
「ジェーン……ギルを大切に思う気持ちはわかるが、少々暴走しすぎではないか?俺は確かにギルを守る義務がある。実際、俺がギルよりも弱いから、お前を不安にさせているのは分かったよ。だが、奴には光の大剣があるし、セクターで戦いがあるって決まった訳でもないし。なあ、今回のステイシーのことは、黙っておく。あまり変な気を起こさないでくれ。」
「実は、帝都の戦いの後に、光の大剣を封じました。」
「え……!?」
「その後で彼女の要望があり、復活させた……と見せかけて、実は復活させておりません。光の大剣ではなく、光の盾です。私とチェイスの技術がそこに密集している。二人の合同プロジェクトで制作したものです。チェイスの方は、まさかキルディアのナイトアームに使われるものだとは、存じていないと思いますが。」
「ジェーン、隠れてそんなことをしてたら、ギルが怒るぞ。ヴァレンタイン教官も、どういうスタンスで来るのか知らんが、ギルを狙っている可能性が高いし、戦闘になった時に、手の先から出たのが盾だったら……彼女はなんと思う?お前にひどく失望するのでは?」
「たとえ失望したとしても、私は彼女が無事に戻ってくれさえすればいいのです。そして万が一、彼女が戻ってこなかった場合は……。」
「俺の責任だから、ステイシーを司書から引き摺り下ろすのか?」
「それで済むとお考えですか?私は元々、感情の死んだ人間でした。過去の世界では、ノアズの副所長だった。ただ研究をしているだけで、その座につけるものではない。権力のあるものは、どこか冷酷でなければならない。私は犯罪を起こしませんよ、あなたが条件を満たしてくれるのなら。」
ヴァルガは困った様子で、ため息をついた。
「……なあジェーン、全く、普通にギルを守れって言ってくれないか?まるでこれが本気みたいじゃないか。」
「まだ私が本気でないと?時空間歪曲機のミッションが終了したので、プログラムに時間を割くことの出来た結果、こういうことができるようになりました。遠隔で、彼女のウォッフォンの電力を暴走させます。高出力の電流が放たれるでしょうが、それでも足りないのなら彼女が自宅に戻ってきた際に、部屋の全ての電灯、風呂場の電気も同時にオーバークラッシュさせます。電流で満たされた部屋で生命活動を維持出来る者はいないはずだ。その後は、あなたの仕事になるでしょう。もう既にプログラム済みですから、もしこの場であなたが私に手を出せば、直ちにそれが実行されます。何も簡単なことです、あなたがキルディアを守ってくれさえすれば、それらは全て、起こりません。」
「ジェーン……お前は、本当に、恐ろしい男だ。」
私の趣旨を漸く理解したのか、ヴァルガが私を睨み、腕を組んで、またため息を放った。
「意味を理解して頂けたでしょうか?ヴァルガ。それとこの件は他言しないこと。もしその気配があり、キルディアの様子が違った時は、条件は満たされないものと判断します。」
「あ、ああ。分かったよ……頼むから、ステイシーに変なことをするなよ?」
「それはあなた次第です。」
私は一礼をしてから、執務室を出た。ドアを閉める瞬間に、苦虫を噛んだようなヴァルガの瞳と目が合った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
還暦妻と若い彼 継承される情熱
MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。
しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。
母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。
同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる