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イオリに似てるストリッパーの名前はバートというらしい。彼は私の腕を引っ張り続けて、店の奥にある青いネオンのバーカウンターに案内すると、いきなりそのバーカウンターの上に立った。
おかげで私の目の前には彼の黒い水着がある。思わず刮目してしまった自分が恥ずかしい。カウンターには他にも女性客が座っていて、バートを見て「きゃああ!」と甲高い声をあげた。
バートは私をじっと見つめたまま、腰を振って踊り始めた。……何だろう、どうしてこうなったんだろう。恥ずかしくて思わず顔を隠して、肩を震わせて笑った。バートは私の両手を掴んで、私の顔を出させた。再び見ると、彼は膝立ちをしていて、私に微笑んでいた。
彼の割れた腹筋に青い照明がかかっている。チラッと他を見ると、カウンターには他のストリッパーもいて、ダンスをしながら女性客にチップをもらっていた。
「こっち見て、俺だけを見てよ。」
「えっごめんなさい。」
バートに怒られました。バートはあたかも快感を得ているような表情でゆらゆら腰を振って、なんと水着を少しずらし始めた。
私は驚いて仰け反った。私の初々しい反応が面白かったのか、バーテンダーの人も近くの女性客も笑った。女性客の一人の赤毛の女の人が興奮した様子で私に教えてくれた。
「バートがおねだりしてるからチップあげないと!ってかバートにおねだりされるなんて滅多にないよ!?彼が一番人気なんだからー!ほらチップあげて!」
「え!?え!?どうやって!?」
私は戸惑いながらノアフォンを出した。今の女の人に手伝ってもらって、私はバートの足元にタッチをして五千ブルーのチップを渡した。
するとバートはバーテンダーに手でサインを送った。バーテンダーからレモンを一切れ貰うと、彼はそれを口に咥えた。
そしてそのレモンの先を私の口に向けてきたのだ。これを受け取れというの!?私は無理だと思って、また顔を覆った。私の隣にいた赤毛の子が、私の肩を掴んで、ぐいっと彼に近づけさせた。
「ほらほら!口で受け取って!」
「えええー!?」
一応、まだイオリが戻ってきてないか見てみた。まだ彼は電話してるのか、この近くにはいない。ってか遠くでヤギさんがレイヴと一緒に踊りながらタイダイ水着の女の子を崇めているのが見えた。あれは見なきゃよかった。
イオリめ。ああやってサラの相談に乗るのは優しいけど、でも優しくない。あれで可哀想になって、やっぱりサラを守らなきゃってなって、よりを戻したらどうするんだ……!バリーは確かに暴力的だ、私を殺しただけある。もしそれが無かったとしても、バリーの元妻だった私には、いつかサラがバリーを嫌になる将来が普通に見える。
くそおおお!もうこうなりゃくらってやる!私はバートのレモンをカプっと噛んだ。めちゃくちゃ酸っぱかったけど甘いシロップが掛かっていて美味しかった。バーテンダーと赤毛の女性が「いええええ!」って叫んで盛り上がってくれた。
「美味しい?」というバートの質問に、私はウンウン頷いた。するとバートはバーテンダーからピンク色のカクテルを受け取って、そのストローを私に向けてくれた。
十中八九お酒だ。いつもは飲めないけど、やけになっている私はそれを飲んだ。すっごい苦味がした。見た目とは裏腹な味だった。バートはカウンターから降りて、私の隣の席に座った。通りすがりの女性客がバートに一緒に自撮りするのをお願いした。
バートは「いいよ」と言って、一緒に自撮りをした。私はその間もピンクカクテルをチューチュー飲んだ。苦いけど癖になる美味しさだ。しかし同時に、フラフラしてくる気配もある。
これまでも何回かお酒を飲んだことがあるけど、この浮遊感はお酒っぽくなかった。女性客が去るとバートは私をじっと見つめて微笑んだ。
「ねえ、それ美味しい?」
「うん美味しいよ。」
「もっと美味しいのがあるんだ。食べたい?」
「いいね、食べてみたい。」
「でもそうするには、少しチップが必要なんだ。」
「いいよ。」
私はバートの二の腕についている黒くて細いベルトにノアフォンをかざして、一気に五万ブルーをあげた。バートは驚いた顔をして、私の手を握った。
「こ、こんなにいいの!?わあ、ありがとう!じゃあ食べに行こうか?」
「どこに?」
「VIPルームだよ!僕のサービスをお姉さんだけが独り占め出来るんだ!そこに美味しいパフェもある、どう?一緒に行く?」
「それってこの店内?」
「うん。個室だけど。」
そーなんだ。私はピンクのカクテルを飲み干してから、バートに腕を引かれて更に店の奥へと連れて行かれた。念の為振り返ってみたけど、まだ近くにイオリの姿は無かった。
歩いていると角度で入り口の方が見えた。イオリは壁に寄りかかりながら通話をしていて、しかも……笑っていた。
へええ、楽しそうですねえ……!
本当に楽しそうですねぇ……!
私の顔は盛大に引きつった。握った拳がギリギリ音を立ててる。イオリめ、くそ、イオリめ……!ならば私も楽しんでやる!パフェくらってやる!
奥の方にある通路に来た。確かに個室がたくさんあって、小窓がついている。それを通り際にチラッと覗いてみると、おじさんが椅子に座っていて、おじさんの膝に全裸の女性が座ってた。
……美味しいパフェはどこに行った?私は口をぽかんと開けたまま一番奥の個室にバートと一緒に入った。赤い照明の薄暗い小部屋で、黒い革製のソファが置いてある。
丸い小さなテーブルと、ポールダンス用のポールのある部屋だ。テーブルにはスタンド型の小さなメニューと、謎のスプレーがある。
「お名前なんだっけ?」
「あ、リア。」
「じゃあリアちゃん、ソファに座って!」
「は、はい。」
私は言われるままにソファに座った。バートが唇を噛んで、私に艶かしい視線を送ってくる。耐えられなくなった私はメニューを手に取ってそれを読み始めた。
カクテルの名前ばかりだ……パフェはどこいった?ってか、変に胸がドキドキする。
すると突然、バートが私の膝に跨ってきて腰をくねらせて踊り始めた。イオリにはない誘惑的な仕草だった。
おかげで私の目の前には彼の黒い水着がある。思わず刮目してしまった自分が恥ずかしい。カウンターには他にも女性客が座っていて、バートを見て「きゃああ!」と甲高い声をあげた。
バートは私をじっと見つめたまま、腰を振って踊り始めた。……何だろう、どうしてこうなったんだろう。恥ずかしくて思わず顔を隠して、肩を震わせて笑った。バートは私の両手を掴んで、私の顔を出させた。再び見ると、彼は膝立ちをしていて、私に微笑んでいた。
彼の割れた腹筋に青い照明がかかっている。チラッと他を見ると、カウンターには他のストリッパーもいて、ダンスをしながら女性客にチップをもらっていた。
「こっち見て、俺だけを見てよ。」
「えっごめんなさい。」
バートに怒られました。バートはあたかも快感を得ているような表情でゆらゆら腰を振って、なんと水着を少しずらし始めた。
私は驚いて仰け反った。私の初々しい反応が面白かったのか、バーテンダーの人も近くの女性客も笑った。女性客の一人の赤毛の女の人が興奮した様子で私に教えてくれた。
「バートがおねだりしてるからチップあげないと!ってかバートにおねだりされるなんて滅多にないよ!?彼が一番人気なんだからー!ほらチップあげて!」
「え!?え!?どうやって!?」
私は戸惑いながらノアフォンを出した。今の女の人に手伝ってもらって、私はバートの足元にタッチをして五千ブルーのチップを渡した。
するとバートはバーテンダーに手でサインを送った。バーテンダーからレモンを一切れ貰うと、彼はそれを口に咥えた。
そしてそのレモンの先を私の口に向けてきたのだ。これを受け取れというの!?私は無理だと思って、また顔を覆った。私の隣にいた赤毛の子が、私の肩を掴んで、ぐいっと彼に近づけさせた。
「ほらほら!口で受け取って!」
「えええー!?」
一応、まだイオリが戻ってきてないか見てみた。まだ彼は電話してるのか、この近くにはいない。ってか遠くでヤギさんがレイヴと一緒に踊りながらタイダイ水着の女の子を崇めているのが見えた。あれは見なきゃよかった。
イオリめ。ああやってサラの相談に乗るのは優しいけど、でも優しくない。あれで可哀想になって、やっぱりサラを守らなきゃってなって、よりを戻したらどうするんだ……!バリーは確かに暴力的だ、私を殺しただけある。もしそれが無かったとしても、バリーの元妻だった私には、いつかサラがバリーを嫌になる将来が普通に見える。
くそおおお!もうこうなりゃくらってやる!私はバートのレモンをカプっと噛んだ。めちゃくちゃ酸っぱかったけど甘いシロップが掛かっていて美味しかった。バーテンダーと赤毛の女性が「いええええ!」って叫んで盛り上がってくれた。
「美味しい?」というバートの質問に、私はウンウン頷いた。するとバートはバーテンダーからピンク色のカクテルを受け取って、そのストローを私に向けてくれた。
十中八九お酒だ。いつもは飲めないけど、やけになっている私はそれを飲んだ。すっごい苦味がした。見た目とは裏腹な味だった。バートはカウンターから降りて、私の隣の席に座った。通りすがりの女性客がバートに一緒に自撮りするのをお願いした。
バートは「いいよ」と言って、一緒に自撮りをした。私はその間もピンクカクテルをチューチュー飲んだ。苦いけど癖になる美味しさだ。しかし同時に、フラフラしてくる気配もある。
これまでも何回かお酒を飲んだことがあるけど、この浮遊感はお酒っぽくなかった。女性客が去るとバートは私をじっと見つめて微笑んだ。
「ねえ、それ美味しい?」
「うん美味しいよ。」
「もっと美味しいのがあるんだ。食べたい?」
「いいね、食べてみたい。」
「でもそうするには、少しチップが必要なんだ。」
「いいよ。」
私はバートの二の腕についている黒くて細いベルトにノアフォンをかざして、一気に五万ブルーをあげた。バートは驚いた顔をして、私の手を握った。
「こ、こんなにいいの!?わあ、ありがとう!じゃあ食べに行こうか?」
「どこに?」
「VIPルームだよ!僕のサービスをお姉さんだけが独り占め出来るんだ!そこに美味しいパフェもある、どう?一緒に行く?」
「それってこの店内?」
「うん。個室だけど。」
そーなんだ。私はピンクのカクテルを飲み干してから、バートに腕を引かれて更に店の奥へと連れて行かれた。念の為振り返ってみたけど、まだ近くにイオリの姿は無かった。
歩いていると角度で入り口の方が見えた。イオリは壁に寄りかかりながら通話をしていて、しかも……笑っていた。
へええ、楽しそうですねえ……!
本当に楽しそうですねぇ……!
私の顔は盛大に引きつった。握った拳がギリギリ音を立ててる。イオリめ、くそ、イオリめ……!ならば私も楽しんでやる!パフェくらってやる!
奥の方にある通路に来た。確かに個室がたくさんあって、小窓がついている。それを通り際にチラッと覗いてみると、おじさんが椅子に座っていて、おじさんの膝に全裸の女性が座ってた。
……美味しいパフェはどこに行った?私は口をぽかんと開けたまま一番奥の個室にバートと一緒に入った。赤い照明の薄暗い小部屋で、黒い革製のソファが置いてある。
丸い小さなテーブルと、ポールダンス用のポールのある部屋だ。テーブルにはスタンド型の小さなメニューと、謎のスプレーがある。
「お名前なんだっけ?」
「あ、リア。」
「じゃあリアちゃん、ソファに座って!」
「は、はい。」
私は言われるままにソファに座った。バートが唇を噛んで、私に艶かしい視線を送ってくる。耐えられなくなった私はメニューを手に取ってそれを読み始めた。
カクテルの名前ばかりだ……パフェはどこいった?ってか、変に胸がドキドキする。
すると突然、バートが私の膝に跨ってきて腰をくねらせて踊り始めた。イオリにはない誘惑的な仕草だった。
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