男鹿一樹は愛を知らないユニコーン騎士団団長に運命の愛を指南する?

濃子

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第14話 団長が敵扱いしてくる。

 レイン大隊長は寄ってくるユニコーンを見ながら、感心したようにおれを見た。
「ものすごい特徴だな」
「何でですかね?」
「おまえとユニコーン達は運命の相手なのかもな」

 せめて、人間でお願いしたい。このさい卑劣様でも文句は言わないから。

「団長!団長はおれがユニコーンとできちゃっても平気なんですか!」
「イツキ?」
「おれは、団長が好きなのにーー」
「イツキーー、そんな事より牝のユニコーンを探してみよう。イツキを見てどんな反応なのか見てみたい」

 ひどいよこの人!ちょっとぐらい考えてよ、もう!

「団長、恋人なんだから、ちょっとは甘い言葉をかけてやれよ」
 レイン大隊長が呆れたように言う。
 そうだ、そうだ。おれと付き合ってるんだろ、脅されて。
「うーん」
 団長はおれを見て言った。
「砂糖」

 違う!甘いけど違うーーーー!!

「うーん。わたがし、チョコレートー」
「古今東西甘いもの集め、じゃないんですよ!もっとこう、口説いてくれませんか?」
 おれが突っ込んで言うと団長はきょとん、と目を丸くした。
「口説く、かー」

 おっ?

「挿れていいか?」
「情緒がねえーー!間はどこいったあ!!」
「団長も激しいねー」
 レイン大隊長が甘やかす事ばかり言う。
「誉めるとこじゃねえわ!団長、身体の前に、ちゃんと心で好いてくれないと」
「物は言いようだな。最後は結局身体だろう」

 いきなり世の中の真理をかますな。

 まあ、たしかにね。合体して、めでたしめでたし、ってよく聞くしね。おれも本音を言えば合体したいよ、いままで生きてきてそういう機会に恵まれなかったからさあ。この際、団長でもいいとは思うけど。

「じゃあ、身体は無しにしましょう」
「うーん」

 何悩んでるんだよ。

「手を出さないとは言わない」

 えーー?

「ひとには間違いがあるからなーー」
 間違い、おれとのまぐわい・・・・が間違い!
「もう、団長が安定してひどいわ」
 おれはぷりぷり怒りながら、牝のユニコーンを探した。
 しかし、広すぎない?歩いても歩いても草原しかない。
「おっ!湖がある」
 湖を見つけておれは近づいた。
「きれいな湖だなー」




『あら、あなたもきれいよ』
「へっ?」
『きれいねー。どこから来たの?お肌もきれい』
 気づけば牝のユニコーンに囲まれたおれ。
「いや、おれは人間の男ですよ」
 牝の声はもの凄くよく聞こえる。人と会話してるみたい。
『うそばかり。ユニコーンの血が混じっているわよ』
「え?」
 何それ、おれの両親どっちかはユニコーンだったっけ?

 そういや、親の設定は曖昧だな。
 国が亡くなった、とは小さい頃父親に聞いた記憶があるけど、その後はどうやってたのか、ダイジェストみたいな記憶しかない。

 神様もその辺は適当なんだな。

「おれ、あなた達の仲間なのか?」 
『いいえ』
 違うんかい。
「そりゃそうですよねー」
『あなたはプリンセスよ。ユニコーンの王子と結婚しなくては』
 おれは目を丸くした。

 なんでやねーーーん!
 なんで女子!なんで女子側なんだよ!!!

「いやいやいやいや、お断り。おれには心に決めた方がいるのよ」
 乙女チックに言うと、牝のユニコーン達がうっとりした。
『どんなユニコーンなの?』
 おれはコケた。
『きっと王子より素敵なのね』
 どんだけユニコーンなんだか。人間と、人間と交際させてくださいよ!
「人間と交際中です」
『えー!』
『な、なんでー!』
『あなた、自分がわかってないのね』
 そんな事言われてもね、おれ、長くここにいるつもりないんで、結婚するわけにはいかんのだ。
『考え直したら?』
「だって!だって、おれは、団長が好きなんだもん!」

 好きなんだもんーーーー!やまびこのように声は響いた。

「イツキ……」
 振り返ると、素の表情の団長がいる。
 安定の、素、だ。無、とも言えよう。

 ちょっとは動揺してくれよーー。何だよその、ふうん、みたいな顔は!

「どうしたんだ?」
 冷静すぎ。もう怖いよあんた。
「こちらの女性達に、新たな彼氏を紹介されてまして」
「モテモテだな。うらましい話だ」
「はははっ。ちっとも思ってないくせにーー」
 おれの乾いた笑いがこだました。
「しかし、警戒心の強い牝のユニコーンまで出てくるとはー。もはや才能を越えているな」
 団長は真剣な眼差しておれを見た。おれの心臓がドキドキするような視線だ。
「おまえは、いったい何者だ?」
「そう言われてもなー」
 自分でもよくわからないし。
 団長は溜め息をついた。
「敵でなければ、それでいい」
「敵?」
 あれ?おれ恋人から、一気に敵になるの?なんなのその扱い。

 ひどすぎだよなーー。この人を理解したいという思いが、しょんぼりしちまうよ。
感想 1

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