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番外編 出産までの長い道
第5話 アイゼとでかけよう
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「うわ、アディまじお腹でてる」
「アイゼ、ボールは蹴ってるか?」
「うん。キサラがラースのゴムでつくったボールをくれたんだけど、すごいよ」
まるで本当にボールを蹴ってるみたいな動きをしてくれるんだけど、おまえはマジで才能の塊だな……。ウマすぎないか?
「キサラもマメだな」
「ぼくのほうが愛されてるね」
ふふん、と緑色のチュニックを着たお子様は、俺に向かってウインクしてくれた。ーーできてないのが笑えるけどさ。
ただな、アイゼーー。
「いまのは、おまえが子どもでも許さん!」
俺は大人げないと言われようとかまわず、アイゼの頬をつねった。
「いちぃ~!はなせよ!よゆうないな~」
ぶ~、ぶ~、とアイゼが抵抗する。お茶の片付けをしていたマルスがあきれたようにため息をついたけど、そんなことを気にする俺じゃあない。
ーーふん、余裕なんかあるわけないだろ?俺の心はキサラがからむとミジンコ以下になるんだぜ。
「アディ、買い物に行きたいんだ」
「どこに行きたいんだ?王都か?」
まあ、それぐらいならいい運動になるよな。
「ーーこんど、マム様の誕生日なんだけど」
あっ、マム様ってサキナさんのことね。サキナさんは、子供にマム様って呼ばせてるんだ。王侯貴族の大半は、『父上とお父様』だったりするけど、庶民の場合は『〇〇父さん、●●父さん』って呼ぶんだって、それいいよな。
ーー俺はひそかに、『お母さん』、って呼ばせたいな~って思ってるんだ。
「それは、おめでたいな」
プレゼントを買いたいのか……カワイイとこあるじゃん。
「きょねんはテレゼが、すっごくかわいいソックスをあげてたんだ。自分で作ったんだってーー」
「へぇ、しっかりしてるなぁ」
「いまは王太子殿下のマフラーを編んでおられますよ」
マルスからの情報に、俺は目を丸くした。
「超王道だ。ーーしかし、兄上の心を確実に殺りにいっている」
「さようで……」
つけてたら、からかいまくってやるか。喜ぶだろうなーー。
「…ぼくも、何かできないかな……?」
「………」
落ち込むアイゼを見て、俺は考える。残念だが、とても残念だとは思うが、このお子様には手編みなど無理だ。教えるほうの気力がもたないし、こいつも毛糸がからめばキレるだろう。
…………サキナさんか……。正直ほしいものなんか、まともな伴侶ぐらいなもんだろ……。
「サキナさんの絵を描くとかは?」
ただ、なんでも持ってそうなひとには、手づくりのものが一番だという案は採用だ。金額より気持ちーーそのひとがどれだけ自分を思ってくれたのか……、その気持ちがうれしいんだよな。
「かいたことないもん……」
「ーーん……、じいや、教えられるか?」
キサラにも是非に描いてもらおう。お坊っちゃん学校出なら芸術事にも強いはず。チョチョイのちょい、目をつむってでも、まぶたの裏に焼きついている俺が描けるはずだ。
「そうですね……。では、最近話題の王都の絵画教室に行って習うのはどうです?同じ年頃の子がたくさんいますよ」
たしかに、この年頃の子がどんな絵を描くのか知っとかないと、マルスも教えようがない。俺の頃はーー、絵、描いたっけ?
「え!行く!行きたい!」
うれしそうにはしゃぐアイゼに、俺は言った。
「よし、準備して出かけよう。ランゼちゃんはーー?」
「ーーあいつはいま、……へブリーズにいるよ」
「おまえ、学院では描かないのか?」
「つまらないから、じゅぎょう受けてない」
ありゃ……。まっ、絵が描けなくても、エドアルドは気にしないか。サキナさんはちょっと、教育ママっぽいけどさ。
「ガキンチョはラクガキをする生き物なのにな」
地面に座れば木の棒で書いたりするだろ?
「うまくかけないもん。それより、そとであそんでたいよ……」
そうそう、俺も絵を描いてる暇があるならボールを蹴りたいタイプだったな……。んーー、アディオンは……、あれ?俺ってば絵が下手クソなのか。そんな自画像もらっても、イリスのヤツ困っただろうに……。
ーー絶対に黒歴史が多いぞ。可哀想なアディオン…。
「アイゼ、ボールは蹴ってるか?」
「うん。キサラがラースのゴムでつくったボールをくれたんだけど、すごいよ」
まるで本当にボールを蹴ってるみたいな動きをしてくれるんだけど、おまえはマジで才能の塊だな……。ウマすぎないか?
「キサラもマメだな」
「ぼくのほうが愛されてるね」
ふふん、と緑色のチュニックを着たお子様は、俺に向かってウインクしてくれた。ーーできてないのが笑えるけどさ。
ただな、アイゼーー。
「いまのは、おまえが子どもでも許さん!」
俺は大人げないと言われようとかまわず、アイゼの頬をつねった。
「いちぃ~!はなせよ!よゆうないな~」
ぶ~、ぶ~、とアイゼが抵抗する。お茶の片付けをしていたマルスがあきれたようにため息をついたけど、そんなことを気にする俺じゃあない。
ーーふん、余裕なんかあるわけないだろ?俺の心はキサラがからむとミジンコ以下になるんだぜ。
「アディ、買い物に行きたいんだ」
「どこに行きたいんだ?王都か?」
まあ、それぐらいならいい運動になるよな。
「ーーこんど、マム様の誕生日なんだけど」
あっ、マム様ってサキナさんのことね。サキナさんは、子供にマム様って呼ばせてるんだ。王侯貴族の大半は、『父上とお父様』だったりするけど、庶民の場合は『〇〇父さん、●●父さん』って呼ぶんだって、それいいよな。
ーー俺はひそかに、『お母さん』、って呼ばせたいな~って思ってるんだ。
「それは、おめでたいな」
プレゼントを買いたいのか……カワイイとこあるじゃん。
「きょねんはテレゼが、すっごくかわいいソックスをあげてたんだ。自分で作ったんだってーー」
「へぇ、しっかりしてるなぁ」
「いまは王太子殿下のマフラーを編んでおられますよ」
マルスからの情報に、俺は目を丸くした。
「超王道だ。ーーしかし、兄上の心を確実に殺りにいっている」
「さようで……」
つけてたら、からかいまくってやるか。喜ぶだろうなーー。
「…ぼくも、何かできないかな……?」
「………」
落ち込むアイゼを見て、俺は考える。残念だが、とても残念だとは思うが、このお子様には手編みなど無理だ。教えるほうの気力がもたないし、こいつも毛糸がからめばキレるだろう。
…………サキナさんか……。正直ほしいものなんか、まともな伴侶ぐらいなもんだろ……。
「サキナさんの絵を描くとかは?」
ただ、なんでも持ってそうなひとには、手づくりのものが一番だという案は採用だ。金額より気持ちーーそのひとがどれだけ自分を思ってくれたのか……、その気持ちがうれしいんだよな。
「かいたことないもん……」
「ーーん……、じいや、教えられるか?」
キサラにも是非に描いてもらおう。お坊っちゃん学校出なら芸術事にも強いはず。チョチョイのちょい、目をつむってでも、まぶたの裏に焼きついている俺が描けるはずだ。
「そうですね……。では、最近話題の王都の絵画教室に行って習うのはどうです?同じ年頃の子がたくさんいますよ」
たしかに、この年頃の子がどんな絵を描くのか知っとかないと、マルスも教えようがない。俺の頃はーー、絵、描いたっけ?
「え!行く!行きたい!」
うれしそうにはしゃぐアイゼに、俺は言った。
「よし、準備して出かけよう。ランゼちゃんはーー?」
「ーーあいつはいま、……へブリーズにいるよ」
「おまえ、学院では描かないのか?」
「つまらないから、じゅぎょう受けてない」
ありゃ……。まっ、絵が描けなくても、エドアルドは気にしないか。サキナさんはちょっと、教育ママっぽいけどさ。
「ガキンチョはラクガキをする生き物なのにな」
地面に座れば木の棒で書いたりするだろ?
「うまくかけないもん。それより、そとであそんでたいよ……」
そうそう、俺も絵を描いてる暇があるならボールを蹴りたいタイプだったな……。んーー、アディオンは……、あれ?俺ってば絵が下手クソなのか。そんな自画像もらっても、イリスのヤツ困っただろうに……。
ーー絶対に黒歴史が多いぞ。可哀想なアディオン…。
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